2023.04.27 メトロウェザー 風の見える化の実証実験 ドップラー・ライダーを活用して

ATCの屋上に設置し、万博会場上空の風を見える化

風向風速データの3D化のイメージ風向風速データの3D化のイメージ

 メトロウェザー(京都府宇治市、古本淳一社長)は17日からATC(大阪市住之江区)で大阪・関西万博で運行予定の「空飛ぶクルマ」の運行実現に向けた風向風速データの3D化の実証実験を行っている。独自開発の小型スキャニング型ドップラー・ライダーを用いて、風況データの見える化を進めており、今後、ライダーを大阪梅田ツインタワー・サウスなどにも設置。合計4、5カ所設置してネットワークを構築し、府内の空飛ぶクルマ、ドローンの安全運行をサポートする。

 都市上空の風向風速データの3次元データを取得するのは日本で初めての試み。空気中の塵の動きによってわずかに変化する光の周波数を瞬時に解析し、風速をリアルタイムに算出できるドップラー・ライダーを活用。半径最大15キロメートル先までの風の動きを計測できる。

 機器は万博会場に近いATCの屋上に機器を設置し、会場上空をリアルタイムにモニタリング。空飛ぶクルマやドローンの安全・安定飛行に不可欠な突風・乱流情報のほか、未確認機体などの検知も行う。今後は、梅田、弁天町、阿倍野などでも機器を設置する予定で、ドップラー・ライダーネットワークを構築し、ドローンや空飛ぶクルマに優しい街づくりに貢献する。

 古本社長は「ドローンや空飛ぶクルマは風の影響を受けやすい。突風情報などを事前に知っておけば安全運行につながる。実証は万博終了まで続くが、今回の大阪の風況データを蓄積して、万博開催時に備える。今回の大阪の事例を全国展開したい。また、ドローンなどで先進しているアメリカなどグローバルも視野に取り組みを強化したい」と話している。