2023.07.11 【家電総合特集】ルームエアコン
充実のラインアップでお客を迎える
省エネモデル買い替え促進
電気代高騰を背景に
ルームエアコンは、夏が最大の商戦期となる。
在宅時間や天候が大きく影響するためコロナ禍でエアコン市場は活気づいたが、その反動減が響く中、メーカーと販売店は一丸となってユーザーにアピールしている。
日本冷凍空調工業会(JRAIA)によると、2017年度以降は毎年900万台を上回る出荷が続き、20年度には出荷台数が1000万台を突破して過去最高を記録した。
今年は新型コロナの感染法上の位置付けが5類になり、4年ぶりに行動規制のない夏を迎える。
5月の出荷台数は、前年同月比5.7%増の84万9199台となった。昨年が低調だったこともあり、前年を上回った。
暑くなれば一気に盛り上がるが、梅雨が長引くと動きが悪くなってしまうエアコン市場。夏本番に向けて、熱中症予防の観点からもエアコンの使用は必須といえる。
JRAIAが制定した4月10日の「エアコン試運転の日」をはじめ、各メーカーは毎年、異常や故障の早期発見のための試運転をSNSやチラシなどを利用して広く呼び掛け、シーズン前の購入を促している。
コロナ禍には清潔需要が高まり、換気やフィルター掃除といった関連する機能が重視された。現在は電気代の高騰の影響で、省エネに再度注目が集まっている。各社は、エアコンの基本機能の向上はもちろん、省エネ性も兼ね備えた最新モデルを中心に買い替えを勧める。
27年を目標年度とする新省エネ基準を達成したエアコンも販売されている。0.5度刻みでの温度設定を可能にすることで、室内の環境に合わせたきめ細やかな温度設定に対応した。
節電設定や電気代の音声アドバイス機能と合わせて使用すれば、より高い節電効果を期待できる。
コンプレッサーの排熱を蓄熱して暖房や冷房に再利用するため省エネ性に大きく貢献するエネチャージ機能など、各メーカーは省エネ性が高い製品を投入している。
販売店では買い替え見込みユーザーに対し、電気代の節約につながる具体的な試算例を提示。これにより、最新モデルやフラッグシップモデルなど、高価格帯への買い替えを促す。
快適性と省エネ性を兼ね備えたエアコンで、ユーザーの購買意欲を刺激する。