2023.07.21 【家電流通総合特集】新しい時代に入り、学びなおしで強みを発揮 全国電機商業組合連合会 峯田季志会長

峯田 会長

デジタル推進よびかけ員として地域の信頼に応える

 コロナ禍で、地域電器店はフェアやいろんなイベントの自粛や訪問活動もままならないこともあった。ただ、国の支援や補助金、巣ごもり需要、10万円の特別定額給付金などで家電業界は恵まれており、そんなに厳しい状況ではなかったのではないか。そのほか空気清浄機や換気に関する商品などについても支援があり恵まれていた。

 コロナが5類に移行して、経済活動も戻りつつある。これから人々の働き方、暮らし方はコロナを経験したことで大きく変化し、新しい時代に入ってきて、意識改革で臨んでいかないと厳しくなる。学びなおしをし商売の幅を広げ、われわれの強みを発揮していく時代に入っている。

 今年も基本方針としては、「まちのでんきやによるカーボンニュートラル宣言」については継続して取り組む。また「SDGsへの進化した取り組み」では、17の目標の中の7番目の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」と12番目の「つくる責任 つかう責任」に対してはしっかり取り組んでいく。「DX(デジタルトランスフォーメーション)の積極的な推進と新時代への対応」については、今年はデジタル庁の「デジタル推進よびかけ員」への登録を組合員にお願いしている。誰一人取り残されないデジタル社会をつくる方針に、しっかり協力したい。特にキャリアのない地域においては、われわれに対する期待も大きいと思い、デジタル推進よびかけ員として地域の信頼に応えるようにしていきたい。

 昨年は、カーボンニュートラルを宣言する「のぼり」を組合員に配布、昨年11月~12月にかけてカーボンニュートラル宣言キャンペーンを実施した。今年も同時期にパワーアップしたキャンペーンを実施する予定でいる。各都道府県や市町村でも省エネ家電購入に対し、補助金の後押しをしていただいている。そのことが全国に波及し率先して取り組んでいることを発信していかないといけないと思っている。

 一昨年から昨年初めにかけて、全国1000人にアンケートをお願いし、昨年まとまった。アンケートの要望に対し具現化していきたいと考えている。まず一つ目が、高齢化を踏まえた協業化について。各単組で具体的に検討していただき、制度を設けてほしいと思っている。また、家電品などの遠隔設置について、メーカーにもお願いできなくなっており、全国の単組のネットワークを生かし、期待に応えるように推進していきたい。二つ目が、地域の未加入店に対する会員増強。高齢化による廃業などで減少するが、増強を図ることで少しでもマイナス分を減らし、活力のある単組にしていただきたい。各単組のパワーが全国電商連を支えていると思っている。

 三つ目として、地区協青年部活動について、今年の研修会には約200人がリモートなどで参加し「未来を担うまちの電気屋」と題し研修を行い、成果を上げている。青年部活動は活発になり心強く思っている。ただ、全国の中には青年部の設立がない単組や活動ができていない単組もみられる。活動を再開しながらさらなるパワーアップをお願いする。

 また、電気屋のプロとしてスピード感ある技術革新に対応するためにも技術に対する講習会や研修会を開催できるようサポートしてほしいとの要望も多い。流通協に対しても要望し協力いただけると聞いている。そのほか、アスベスト主任者技能講習会、インボイス、改正電帳法に対する研修会なども各単組ができるところから開催していただきたい。

 会員が毎年減少している中で、賦課金の値上げについても着手したいと考えている。これからの若い世代へ引き継ぐためにも、財政基盤をしっかり作り引き継ぐ責任がある。気を引き締めて取り組んでいきたい。また、今年8月には東京で全国事務局長会議を行うことにしている。事務局の方にも全国電商連の要望、考え方などを理解してもらい、各単組を取りまとめてもらえるようにしたい。

 しっかり今年一年も期待の応えられる、頼りにされる組合づくりに、そして地域電器店として地域において極めていく一年になればいいと思っている。