2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】カナデン デジタルマーケティング加速 営業の原点を見直す

本橋 社長

 カナデンは、FAシステム、ビル設備、交通、社会インフラ、半導体・デバイス、映像・情報通信の6事業を柱に、国内のほか中国・東南アジアで主に日系企業を対象に事業を展開する。

 「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」を目指す中期経営計画「ES・C2025」は23年度が3年目。同中計の新戦略として推進するWeb活用のデジタルマーケティングは、22年度で約3300件の引き合いがあり、約3億円を受注するなど成果が上がり始めている。

 本橋伸幸社長は「23年度は、引き続きデジタルマーケティングを加速させながら営業の原点を見直す。既存顧客との接点を大切にし、商談機会、提案領域の拡大により深耕を図る」と話す。全社の技術ハブに位置付ける「ソリューション技術本部」内の「ソリューション営業部」を独立組織に改編し、各事業部門横断の新規案件に対応する。同社は三菱電機の製品を中心に、幅広い商材を取り扱う。本橋社長は「FAはシステム案件の獲得を強化している。加えて、FAシステムのみならず空調など含めた工場設備丸ごと受注も推進する」と話す。システムの一例ではVMSを活用し工場の設備機器やセンサー情報を集約するFAソリューションとして「FAtis(フェイティス)」の提供を始めている。

 半導体・デバイス分野では、韓国、台湾、中国を中心に海外商材を拡大。韓国・KECのパワーデバイスや、台湾企業ではREALTEKのICはじめネットワーク需要に対応した無線デバイス・モジュールの販売を伸ばしている。海外製デバイスの売上比率はデバイス事業全体の約3割を占める。海外は中国、香港、シンガポール、タイ、ベトナムに現地法人を構えている。タイでは「カナデンソリューションズタイ」において総合SI企業のサイアムスマートソリューションズ社との協業によるFAエンジニアリングの強化を目指し、工場の自動化需要獲得の活動を開始。またASEANにおける横断的なFA事業拡大へ「アセアン グローバルリンク室」を7月1日付で新設した。