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ITで新型コロナウイルス情報収集を支援 感染状況監視や患者マップ表示などベンチャーがサービス

新型コロナウイルス感染状況の監視システムについて説明するスペクティの村上代表取締役CEO新型コロナウイルス感染状況の監視システムについて説明するスペクティの村上代表取締役CEO

国内での新型コロナウイルス感染症の患者数マップ(ジャッグジャパン提供)国内での新型コロナウイルス感染症の患者数マップ(ジャッグジャパン提供)

新型コロナウイルスに関する問い合わせに対応するLINE公式アカウントのトップ画面新型コロナウイルスに関する問い合わせに対応するLINE公式アカウントのトップ画面

 中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が日本国内で相次ぐ中、ITを活用して関連情報の収集を支援する動きが広がっている。

 ツイッターやフェイスブックなどSNS(交流サイト)の情報を基にウイルスの感染状況を監視するシステムを開発した企業が現れたほか、感染症の患者数マップをWeb上に公開するベンチャーなども登場した。

 「SNSから新型コロナウイルスに関連した情報を収集したい」。1月、そんな依頼が東京都千代田区に本社を構えるITベンチャーに舞い込んだ。SNSの投稿を分析して事故や災害の発生を検知するサービスを手がけるSpectee(スペクティ)だ。

 同社が開発したのは、複数のSNSから〝感染状況の把握に役立つ良質な情報〟を常時集めるシステムだ。大量の投稿を、まず「コロナウイルス」「発熱が続いている」といったキーワードでふるいにかける。さらに、AI(人工知能)による解析にかけて情報の精度を高めるという。

 納入した関係機関はPCで、投稿の発信場所はどこに集中しているかを地図と連動した文字情報で確認。中国語など複数の外国語の投稿を、日本語に自動翻訳することも可能だ。

 開発後もキーワードを入れ替えたり増やす対応に奔走している。ウイルスを巡る状況が刻々と変化する中、システムを調整する必要があるからだ。

 既に同社は、SNSの情報をリアルタイムで解析し、災害や危機管理に関する情報を抽出して配信するサービスを展開し、官公庁や自治体を含めて300社以上の団体・企業に導入してきた。

 村上建治郎・代表取締役CEOは「(新型コロナウイルスに関する)情報を正しく把握し、適正に対応できるようにしたい」と強調。多様な感染症に対応できる汎用性の高いシステムを開発することにも意欲を示した。

 GIS(地理情報システム)を活用した情報の視覚化サービスなどを手がけるジャッグジャパン(同渋谷区)は16日、国内で確認された新型コロナウイルス感染症の患者数マップをWeb上で無料公開した。関係省庁や自治体が発信する患者の発生状況に関する情報を一元的にまとめ、視覚化した。国内の症例数や陽性と診断された都道府県別の患者数などが一目で分かる。

 大濱崎卓真社長は「情報が錯綜する中、冷静な対応を行うための判断材料の一つにしてほしい」と述べた。

公式アカウント開設

 LINEは厚生労働省の要請を受け、ウイルスの発生状況や予防法などに関する問い合わせに応じる公式アカウント「新型コロナウイルス感染症情報 厚生労働省」を今月上旬に開設した。登録すれば無料で使える。

 「必要な情報を時間や場所を問わずに提供できるようにする」(広報担当者)ため、AIを活用した自動応答システム(チャットボット)を導入した。加えて、感染の疑いのある人らがLINEで医師に相談できるよう、メニューに「スマホでお医者さん相談」の項目も設けた。無料で利用できる。

 LINEが国内15-69歳の男女5233人を対象にWeb調査を今月上旬に実施したところ、「情報を自分から調べている」と答えた人は約4割に到達。最新情報に敏感な傾向が読み取れた。

 これを踏まえて同社は、公式アカウントで出す回答のデータベースの更新を続けるために厚労省や自治体の協力を得ている。感染症を巡る情報面の対応で、民間のサービスが果たす役割が増しそうだ。