2023.09.09 AI医療機器のアイリスが優勝 スタートアップワールドカップ東京予選 日本発の独創力を世界に示す

「スタートアップワールドカップ2023東京予選」で優勝しトロフィーを掲げるアイリスの沖山社長=東京都港区のグランドハイアット東京

「スタートアップワールドカップ東京予選」でプレゼンを行うアイリスの沖山社長「スタートアップワールドカップ東京予選」でプレゼンを行うアイリスの沖山社長

 米シリコンバレーを拠点にグローバルに投資活動を展開するペガサス・テック・ベンチャーズは8日、起業家の世界一を競う「スタートアップワールドカップ2023」の東京予選を都内で開いた。予選を勝ち抜いたのは、人工知能(AI)技術を用いる医療機器を開発するアイリス(東京都千代田区)。同社は、米国で12月に行われる決勝戦に挑む。日本発の独創力を世界に示す好機となりそうだ。

 同社は、医師が磨く「匠の技」をデジタル化するAI医療機器の可能性を追求。のどの画像や問診情報などをAIで解析し、インフルエンザウイルス感染症診断の補助に用いる検査機器の国内販売に乗り出した。予選のプレゼンテーションで医師の沖山翔社長は「日本から世界へ。本気の挑戦を応援してほしい」と、医療現場の課題解決に貢献する決意を述べた。

 スタートアップワールドカップは50以上の国と地域で行われる予選を通過した企業が、米サンフランシスコで開催される決勝大会でビジネスプランを競うコンテスト。今回が5回目で、優勝企業には100万ドル(約1億円超)の投資資金が贈られる。

 東京予選には約300社の応募企業から選ばれた10社が集結し、プレゼンを実施。2位には人事データの整備や活用を後押しするパナリット(同目黒区)、3位には女性向けキャリア支援スクールを運営するSHE(同港区)が選ばれた。7月の京都予選では、AIを活用して家電と住宅設備をつなぐスマートホーム技術を手がける「HOMMA Group」(同中央区)が優勝しており、東京予選の勝者とともに決勝大会に日本代表として出場する。