2023.09.19 インテル、CPU基板をガラスに AIなどで高性能化、20年代後半から

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 米インテルは18日(現地時間)、CPUの基板について、2020年代後半から、有機素材に代わってガラス素材を採用すると発表した。ムーアの法則をさらに進めるためのもので、より高密度で高性能な半導体を実現。30年までに1パッケージに1兆個のトランジスターを搭載する目標に貢献するとしている。1990年代から進めた有機への移行以来の大きな転換となりそうだ。

 同社のイベントに合わせて発表した。同社はCPU基板の革新を15年前後の周期で進めている。1990年代にセラミックパッケージから有機パッケージへの移行で業界をリード。ハロゲンおよび鉛フリーパッケージを初めて実現し、高度な組み込みダイも発明した。パッケージング技術や3D技術などを進め、機器や化学薬品、材料のサプライヤーから基板メーカーに至るまで、これらのテクノロジーを中心としたエコシステムをつくっている。

 従来は有機基板が採用されているが、消費電力の増加のほか、収縮や反りなどの課題がある。強力なコンピューティングへの需要が高まり、半導体業界がパッケージ内で複数の「チップレット」を使う異種混合時代に移行する中、信号速度や電力供給、設計ルール、パッケージ基板の安定性の改善が不可欠になっている。
こうした課題に対し、ガラス基板は超低平坦性や優れた機械的、物理的、光学的特性を備え、従来の有機基板と比べ、パッケージ内でより多くのトランジスタを接続でき、スケーリングが向上。より大きなチップレット複合体(システムインパッケージ)の組み立てが可能になる。有機が主流になった2000年代前半ごろ以来の転換となる。

 より多くのタイル (チップレット) を1パッケージ上のより小さな設置面積に詰め込むことができるほか、より優れた柔軟性でパフォーマンスと密度の向上を達成し、コストと電力使用量を削減。「次世代半導体に不可欠な次のステップ」とする。

 相互接続密度がはるかに高くなり、人工知能 (AI) などのデータ集約型のワークロード向けに高密度で高性能のチップパッケージを作成できるようになる。ユースケースとしては、データセンターやグラフィックスなど、高速を必要とするアプリケーションやワークロードに導入される。