2023.10.20 【あかりの日特集】「あかりの日」に向けた思いと今後 日本照明工業会 西原隆史会長に聞く
世界に通用する〝芽〟つくる
ライティング5.0さらに訴求
日本照明工業会(JLMA)の新会長に7月、東芝ライテックの西原隆史社長が就任した。今年は、「未来のあかり」についてのアイデアを募集するコンテストを開催し、最優秀賞の発表を今月27日に控えるなど、これまでにない取り組みを進めているJLMA。業界を挙げたイベントである21日の「あかりの日」に向けた思いについて、西原会長に話を聞いた。
-JLMA会長として、どのような思いで取り組んでいますか。
西原会長 東芝は照明が祖業でもある。工業会の目指す方向と歩調を合わせ、日本の照明業界を引っ張っていきたいという思いでいる。世界でも通用するような〝芽〟をつくれればと思っている。
-21日は「あかりの日」ですね。
あかりの大切さ周知
西原会長 工業会では、(健康、安全、快適、便利をもたらす照明である)「ライティング5.0」の普及に力を入れている。
この推進とともに、あかりの大切さをいま一度消費者の方々に周知したいと思っている。
日本では、あかりの注目度がかなり低い。もっと目を向けてもらえるよう業界の活動や市場を活発にしていきたい。
-ライティング5.0の認知は高まっていますか。
西原会長 認知は高まっている。あかりに関するアンケートを実施したところ、ライティング5.0の認知は11%という結果となった。
ライティング5.0は昨年発表したばかりで、本格的な普及促進に取り組み始めたのは今年からだ。そういう状況からすると、予想以上に認知度があると言えるのではないか。
-今年は初の取り組みとして「Lighting5.0~未来のあかりアイデアコンテスト2023~」も実施しています。
幅広い層が参加
西原会長 ライティング5.0の認知を高める活動の一環でもある。コンテストの二次審査では一般のWeb投票を取り入れるなど、幅広い年齢層の方に参加してもらえるような工夫も凝らした。
290件のアイデアが寄せられたが、8歳から81歳までと幅広い層から応募してもらい、工業会の活動の認知拡大にもつながったと思っている。
-国内の照明市場の現状をどう捉えていますか。
西原会長 照明器具の出荷台数は新型コロナ前の状況に戻ってきている。製品の動きとしては、非住宅分野はまだいいが、住宅分野が鈍い。物価高の影響もあると思うが、今後市場がどう動いていくか不透明な部分も多い。
ただ、ライティング5.0で掲げている付加価値の高い照明を軸に、市場の底上げを図っていくことが重要だと思っている。効率性のアップも大事だが、制御技術を生かしてより快適なあかりを実現できるようにもなってきた。(脱炭素につなげる新しい国民運動である)環境省の「デコ活」の取り組み宣言も行っている。さまざまなところでライティング5.0に即したあかりの良さをアピールしていく。
-今後の展望はいかがですか。
西原会長 日本の照明市場はLEDの普及で一服感が出ている。これからは日本の照明技術が、世界を引っ張っていけるかどうかが業界発展のためには大切になってくると思う。日本発の規格で世界の照明市場をけん引するような形だ。
今後、日本の照明メーカーが世界に打って出るための土壌を、工業会の会長として作っていきたいと思っている。それにつながる活動に力を入れていきたい。