2023.12.01 【テレビ特集】年末商戦は65V型以上の大画面と壁掛け提案に期待
テレビの壁掛け提案が売り場で盛り上がっている
12月に入り、年末商戦の本格化に向けた家電流通の動きが活発になっている。今年は、脱コロナによるサービス消費へのシフトに加え、巣ごもり需要の反動もあってテレビ市場は停滞気味だ。そんな状況を払拭する上でも、年末商戦でテレビ需要の盛り上がりに期待がかかるところだ。65V型などさらなる大画面化へのニーズも強くなっており、インテリア性を生かせる壁掛け提案にも関心が高まっている。
「年末商戦では大型テレビに期待している。テレビを壁に寄せて展示しているのも、壁掛けスタイルを提案したいからだ」。年末商戦の本格化を目前に控えた11月中旬、ノジマグランデュオ立川店(東京都立川市)の白岩佑樹店長は、そう意気込みを語った。
年末はテレビ市場が盛り上がる商戦期。今年は苦戦が目立つテレビ販売に家電量販店各社やメーカーも期待を寄せる。
電子情報技術産業協会(JEITA)の統計では、今年1~10月までの累計で、テレビ全体の出荷台数は前年同期比11.
6%減の344万5000台にとどまっている。市場をけん引してきた50型以上の大画面テレビも、同9.3%減の137万4000台という状況だ。高付加価値テレビとして存在感を発揮していた有機ELも、5月以降は毎月前年を下回る出荷台数と停滞している。
そうした中で、期待されているのが、65V型以上というさらなる大画面テレビの販売増と、壁掛け設置による住空間への溶け込みを狙ったテレビ提案だ。65V型以上は、低価格化が進んでいることに加え、50V型からの買い替えでさらに大画面を望むユーザー層の取り込みなどが重要となってくる。
壁掛けは、それに近い設置性を実現するテレビ台が登場しているほか、パナソニックからは簡単に壁掛けできる「ウォールフィットテレビ」も発売されている。ウォールフィットテレビは、部屋の実例写真を共有するSNS「RoomClip(ルームクリップ)」で人気・話題となった製品として年間アワードを受賞するなど、高精細・大画面に加え、インテリア性という点もテレビでますます重視されるようになっている。
年末商戦は、こうした消費行動の変化を捉え、新たな提案につなげる絶好の機会になるはずだ。
デジタル放送の日
きょう12月1日は「デジタル放送の日」だ。2006年12月1日にデジタル放送推進のための行動計画が採択され、デジタル放送の発展と普及を図る目的で定められた。
12月1日になった背景には、00年12月1日にBSデジタル放送が、03年12月1日に東名阪で地上デジタル放送が、06年12月1日に全国で地デジがそれぞれ開始されたことによる。
パナソニックの主力製品
壁掛け4K有機EL「ウォールフィットテレビ」
画面まで3.5センチの薄型実現
パナソニックは、簡単に壁掛け設置できる55V型4K有機テレビ「ウォールフィットテレビ」LW1シリーズで、新たなライフスタイルを提案していく。
LW1シリーズは、壁から画面までが約3.5センチメートルと薄く、13センチメートル近くあった従来の壁掛けテレビに比べてすっきりした見た目で取り付けられるのが特徴だ。4K映像を無線伝送できる独自技術によりモニターとチューナーを別にしたことで、アンテナ端子の場所に縛られずに好きな場所にテレビを掛けられる。
ディスプレーは高いコントラストと精細感のある4K有機ELを採用。独自のパネル制御とAI(人工知能)を使った画質調整により、コンテンツに合わせて高画質な映像が楽しめる。
壁と一体感のある設置をしても、音質を損なわないようスピーカーも見直した。同社で初めて画面振動スピーカーを採用し、スピーカーボックスなどを付けずに音を出せる。独自の音声処理技術で一般的なボックス型スピーカーの音質に近づけている。
こうした技術革新により、モニター部は全面が薄型にでき、壁と一体になって取り付けられる。リモコンはブルートゥース方式を採用、モニターやチューナーにリモコンを向けずに操作できる。
本体は、従来の55V型テレビよりも重量を4割削減。開発した壁掛け用の専用金具で、一般的な住宅に採用されている石こうボードの壁であれば特殊工具などを使わずに、細いピンだけで簡単に壁掛け設置できる。モニターからは白い電源コードのみが出ており、設置後の部屋のデザイン性も損なうことはない。
キャンペーン展開
また、4K有機ELテレビ「ビエラ」を対象としたキャッシュバックキャンペーンも11月17日から実施している。最上位機種となるMZ2500シリーズなど5機種が対象で、65V型「TH-65MZ2500」であれば、購入後にWebから応募することで5万円がキャッシュバックされる。
さらに、対象となるブルーレイディスク(BD)レコーダー「ディーガ」とセットで購入すれば、最大8万円キャッシュバックされる。来年1月8日までの購入を対象としており、こうした販促策で年末商戦のテレビ需要の喚起を目指している。