2026.01.12 【電子部品総合特集】日系電子部品メーカー、AI関連市場への展開強化

 26年度も高い売り上げ成長を計画

 電子部品メーカー各社は、急速に拡大するAI(人工知能)関連市場に照準を合わせた展開を強化している。AIサーバー・データセンター(DC)の技術進化や、エッジAI端末市場の広がり、さらにフィジカルAIなどに対応した技術開発や拡販活動を推進し、26年度も高い売り上げ成長を目指す。

 AIサーバー市場は、生成AIの広がりに伴い、今後も高い台数成長が見込まれる。加えて、高性能なAIサーバーは、通常のトラディショナルな汎用サーバーと比較し、機器1台当たりの電子部品搭載点数増も見込まれ、特に、積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの一部の回路部品では員数が2倍以上に増えるとされる。

 このため、電子部品業界では、AIサーバー・DC市場を中期の事業拡大に向けた重点分野に位置付ける企業が増加。次世代DCでのサーバー高速大容量化への対応や、DC消費電力の低減要求に対応できる専用部品の開発・投入を活発化させている。

 AIサーバーメーカーの搭載電子部品に対する仕様要求は厳しく、極めて高い品質性能や、長期間にわたる24時間稼働でも故障しない長期信頼性などが必須となるため、高い品質を強みとする日本の電子部品メーカーはアドバンテージがある。

 DC市場では、2023年に800Gbps伝送対応製品の投入が始まり、本格普及が進んでいるが、生成AIや機械学習を中心とした急速な高速大容量化を背景に、DC内の光ネットワークは、今後は1.6Tbpsへの移行が進む見通しで、これらに対応した電子部品開発が進展している。

 DC需要の急増は、消費電力量を爆発的に増大させている。AIサーバーは、GPU(画像処理半導体)の高性能化で、従来の汎用型サーバーとは桁違いの電力が必要。次世代のDCでは、GPUの性能が一段と高性能化し、電力消費量はさらに増加する。

 DCではサーバーのマザーボードでの電力消費に加え、冷却用空調設備や付帯設備でも膨大な電力が必要。このため、電子部品各社は、これらの課題解決に向けた技術開発・提案を加速させている。

AI関連アンケート

 電波新聞がこのほど主要電子部品メーカーを対象に実施したアンケートによると、「AI関連の拡販活動で重視する分野(複数回答)」の質問では、回答26社で最も多かったのは「AI関連の産業機器/製造装置など」の16社。次いで多かったのは「自動車関連」と「AIサーバー/データセンター」が12社で並び、次が「AI対応端末」だった。

 「AI関連市場で拡販活動を重視する国(複数回答)」の質問では、最も多かったのは、米国が47ポイントと最多で、次が日本の33ポイント。以下、中国、台湾の順となった(優先順位別に挙げてもらい、1位=3ポイント~3位=1ポイントで集計)。

 「AI関連市場向け売上高の26年度の目標(25年度見込み比)」の質問では、回答18社で最も多かったのは「2~5倍未満」と答えた5社。次が「50~99%増」の4社だった。全体では、8割超の15社が「2桁以上の増」と回答するなど積極姿勢が鮮明となっている。