2023.12.22 コニカミノルタがサステナビリティー経営を強化 高収益企業への回帰目指す

大幸 社長

 コニカミノルタはこのほど「Konica Minolta Day~サステナビリティー説明会~」を開催、大幸利充社長兼CEOは「人間中心の生きがい追求と持続的な社会の実現を高次に両立させる」と強調した。「企業価値向上に結び付く無形資産、また環境やガバナンスの取り組み」をテーマに同説明会を開催した。

 同社のサステナビリティー経営のフィロソフィーは、2003年のコニカミノルタ発足以来の経営理念「新しい価値の創造」と30年を見据えた「経営ビジョン」、価値創造の源泉」としての企業文化・風土である六つのバリュー、「お客さまへの約束(Giving Shape to Ideas)」からなる。

 経営ビジョンでは「Imaging to the People」を掲げ「お客さまの『みたい』を実現することでグローバルな社会から支持され、必要とされる企業、人と社会の持続的な成長に貢献する足腰のしっかりした進化し続けるイノベーション企業」を目指す。また、六つのバリューは「Open and honest」「Innovative」などからなる。

 大幸社長は「多様な人財と技術の融合、顧客関係などマテリアリティー(重要課題)の追求を支える無形資産を基に、時代とともに変化する『みたい』に応え、価値を創造していく」と、サステナビリティー経営の基本方針について語った。

 また、中期経営計画の基本方針について「不確実な環境下でも達成可能な計画を実行し、自信と信頼を回復していく」として等身大の経営を進め、高収益企業への回帰を目指すことを強調した。

 具体的には、事業収益力の強化では①事業の選択・集中②強化事業への資源再配分③オフィス事業の収益堅守。収益基盤強化のための構造改革では①コストの圧縮②財務基盤強化・キャッシュ重視。事業管理体制の強化では①事業のパフォーマンス明確化②選択と集中の加速、などを進めていく。

 また「蓄積された営業実績をデータサイエンスで分析し、有力な見込み客を見極めて、アプローチを効率化」することで、新規顧客開拓の強化や既存顧客へのソリューションの追加提案・契約継続につなげていく営業効率向上ソリューションを開発していく。

 加えて生産現場の困り事を起点に、課題を分析・解決する生産DX(デジタルトランスフォーメーション)の強化や医療現場との共創で実現したX線動画解析ワークステーション「KINOSIS」などの事例を挙げ、顧客との共創に取り組む姿勢を強調した。

 同説明会では技術戦略や研究・開発動向、競争優位性を確保するための知財戦略、DEI(ダイバーシティー、エクイティー、インクリュージョン)や人財戦略など人財面での取り組み、ガバナンスを含めたESG経営、インナーコミュニケーション強化の具体的事例、脱炭素・省資源の目標と取り組み、などを紹介した。

 また、社外取締役によるパネルディスカッションなども開催された。