2024.01.10 CES、米ラスベガスで開幕 コロナ前の活況戻る 生成AIや持続可能性など訴求

CTAはちょうど100周年

 世界最大規模のエレクトロニクス総合展「CES 2024」が9日朝(日本時間10日未明)、米ラスベガスコンベンションセンターなどを会場に開幕。世界の主要エレクトロニクス、IT関連企業をはじめ、モビリティー、ヘルステックなど3500社以上による近未来社会への提案が一堂に会する。

 開幕を控えた7、8の両日はメディアデーズとして、主要企業のプレスカンファレンスなどが相次ぎ、最新のソリューションなどが発表された。例年大きな発表を行うことから注目されているソニーは、ホンダと協業で取り組む自動車のプロトタイプの進化を発表した。

 全体を通して、この1年で急速に普及した生成AI(人工知能)やスマートホームの実現に向けた提案が多い。AIは多くの出展にかかわっており、個別のジャンルではなく横断的なテーマともなっている。主催者の全米民生技術協会(CTA)はAIについて、医療や持続可能性、生産性、アクセシビリティーなどを改善できるアプリケーションが中心と展望する。

 AI半導体で独走状態にある米エヌビディアは、CESに合わせて新しいGPUを披露。また米インテルも昨年末、新しいAI半導体を発表し、米マイクロソフトもキーボード刷新を打ち出すなど、「AIパソコン(PC)元年」の様相も呈している。コロナ禍もあって世界的に需要の増えたリモートやオンライン、メタバースなどに対応するものもトレンド。

 さらに、かつてのテレビなど新製品発表の場から、モビリティーをはじめテクノロジー全体のソリューション披露の場へ進化した同展だけに、「つながる」スマートホームやスマートシティーに向けた提案が増加している。製品や技術単体ではなく、ソリューションや他社とのアライアンスでの提案が目立つ。

 モビリティーでは、自動車の技術から自動運転、電気自動車(EV)、パーソナルモビリティーまで、約300の出展者が参加。自動車メーカーと半導体企業の連携も活発化し、半導体メーカーとのエコシステムで、自動運転やパワー半導体を取り込んだEVに取り組む動きもある。空飛ぶクルマ・ドローンも多彩に展開される。

 大手電機では、パナソニックが引き続き環境関連の取り組みを大きくアピールする中で、製品も詳細に展開。REGZAなど各社の新製品も注目される。情報のポータルとして、また、さまざまな家電のパーソナライズの象徴としても、テレビが注目されている。

 大手では、三菱電機なども積極展開。デバイスや素材関係から、京セラや村田製作所、ニチコン、TDK、旭化成、AGC、SMK、ヒロセ電機、イリソ電子工業といった有力企業が参加。またマクニカや加賀FEIといった有力商社も参加する。

 CTAのゲイリー・シャピロCEOは電波新聞の取材に「日本企業にも特に期待している」と歓迎した。

(10日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)