2024.01.18 【情報通信総合特集】ソリューションプロバイダー 24年の見通し・経営戦略 日本事務器 田中啓一社長

生成AIでプロジェクト
3つの視点から取り組む

 ICT市場は、2023年も堅調に推移した。DXや働き方改革に加え、電子帳簿保存法(電帳法)、インボイス制度導入など法改正に伴う「やらなければいけないIT」が、追い風になっている。

 引き続き24年も堅調な推移が見込まれる。こうした中、生成AI(人工知能)への対応が大きなテーマになる。当社では、生成AIを①自社商品への組み込み②お客さまの活用の支援③当社自身での活用の三つの視点で取り組み、それぞれプロジェクトを立ち上げている。各プロジェクトがワンチームで取り組んでいけるようにしたい。

 当社の23年度業績も順調に推移している。

 ヘルスケア分野は、医療と介護、健診を中心に順調だ。医療は、電子カルテと医事システム、院内の窓口業務のIT化のニーズに対応した医療DXなどの案件が活発だ。

 ヘルスケア分野におけるデータの利活用をはじめ、医療分野でのDXを通じたサービスの効率化・質の向上に向けた活動が活発化している。

 健診分野は、これまでオンプレミス型で提供してきた総合健康管理システム「CARNAS」のクラウド化に取り組んでいる。クリニックの健診業務に特化したクラウド型健診システム「CARNASクリニック」に続き、第2弾として健診施設や受診者をサポートする「CARNAS &g(カルナス アンジー)」を12月末から提供開始した。CARNASは、健診に関わるあらゆるデータのプラットフォームとして拡充していきたい考えだ。

 民需分野も、DXや電帳法、インボイス制度など、法改正需要などで堅調だ。お客さまの経営目標実現に向けたDX支援に注力している。単にシステムの導入に終わらず、活用・定着までを視野に入れた支援を行っている。

 基幹システムのクラウドへのマイグレーション、サイバーセキュリティー対策、ノーコード/ローコード活用支援、さらに生成AIの業務活用ニーズなどにも応えていく。

 文教分野では、学生・教員の間で参考文献や本のレビューを蓄積・共有する学習支援サービス「BOOK MARRY(ブックマリー)」が好評だ。今後は学校だけでなく企業向けなどの展開も考えていきたい。当社は、2月1日で創業100年を迎える。1年通して、全てのステークホルダーに向け、さまざまな形で感謝を伝えていく。今後も、常に変われる体質でいながら、新しいものに挑戦する会社であり続けたい。