2024.01.18 【情報通信総合特集】ソリューションプロバイダー 24年の見通し・経営戦略 日立ソリューションズ 山本二雄社長
SXの具体的活動を加速
活動を積極的に外部発信
持続可能な社会に貢献する「サステナビリティートランスフォーメーション(SX)」を掲げた中期経営計画も2024年度で最終年度となる。SXを具現化するソリューションを出していくとともに当社自身が持続可能な社会を作り出す企業であることを発信していく。
23年度はデジタルトランスフォーメーション(DX)関連投資が旺盛で、受注、収益とも好調だ。セキュリティーなどが伸びているほか、日立製作所グループで推進するデジタル基盤「ルマーダ」との連携も進む。日立グループの戦略関連会社グローバルロジックや日立ヴァンタラとの連携により、デジタルやデータ利活用の領域で成果が出始めている。
海外の先進ソリューションをいち早く持ち込み展開する先端商材の取り組みも進んできた。国内外のアライアンスパートナーは約130社まで拡大した。これに当社の開発力を合わせることでルマーダのソリューションを強化していきたい。
コアとなる事業では自動車向けで培ってきた技術とノウハウを生かし、モビリティー事業を再整理した。自動車業界は次世代自動車の開発を進めており、当社は長年、自動車メーカーと開発に取り組んできた。コネクテッドカーなどの開発はITとOT(制御運用技術)を組み合わせる必要があり、当社のITノウハウが生かせる。大手メーカーとのコネクテッドセンターの構築実績もあるため幅広く支援していく。
得意のポイント管理やファンクラブ管理で新たな動きが出てきた。昨年、複数のファンクラブに所属する会員を統合管理する基盤を開発しポニーキャニオンに提供した。新たなファンサービス基盤として横展開したい。
開発したアプリケーションを素早く実行できる基盤として独自に開発した「デジタルソリューション創出プラットフォーム」は提供範囲を拡大する。当社ソフトだけでなく他社サービスも素早く展開でき実績も増えてきた。今後ルマーダソリューションの実行基盤として展開していく。
生成AIの取り組みも本格化した。生成AIは自社内で活用する「守りのAI」と、ソリューション内への組み込みや他社システムに適用する「攻めのAI」があるが、今年は顧客の価値を向上させる攻めのAIで実績を出したい。
これまで進めてきたSXは具体的な活動を加速させる。23年度中にはマテリアリティー(重要課題)を策定し、当社のSX活動を積極的に外部発信していきたいと考えている。