2024.01.16 TDK、「クオリティファースト」への取り組みを強化 齋藤昇社長に聞く
齋藤 社長
TDKは、2022年4月1日付で新社長に齋藤昇氏が就任し、約1年9ヵ月が経過した。23年度(24年3月期)は、外部環境の変化の影響を受け、通期の業績予想を期初予想から下方修正したが、齋藤社長は、「こうした時期だからこそ、『自力をつける』ことが重要だと考えている」と話し、市場が回復するタイミングに向けた準備をしっかりと行いつつ、同社の自力を高めることに注力している。
「市場環境が悪くても、自分たちでできることはたくさんある。重視するのは『クオリティ』。製品の品質向上だけでなく、生産性の質、働き方の質、コミュニケーションの質、社員やチームの健康の質など広い意味でのクオリティを向上し、『クオリティファースト』に注力する。この取り組みは24年以降も継続強化していく」(齋藤社長)。
同社は、「EX(エネルギートランスフォーメーション)」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を同社の成長をドライブする市場に位置付け、世界的なEX/DXへの潮流を追い風に、今後も中長期でのビジネス成長を目指す。
齋藤社長は、24年の電子部品市場の展望について、「車載用部品は、23年度上期までに市場の在庫水準がほぼ適正化したとみており、23年度上期をボトムに今後は徐々に回復に向かうと予想している。データセンター向けのHDDヘッドは、当社のビジネスとしては23年度上期を底に徐々に上向くと思うが、市場全体としての本格的な回復は24年度下期になると考えている」とする。
同社は現在、24年度からスタートする次期中期経営計画を策定中で、24年5月に詳細を公表する予定。「次期中計でも、『二次電池』『受動部品』『センサ』を当社の3本柱にしていくという戦略に変更はない。加えて、磁気ヘッドの次世代技術開発も一層強化する。戦略成長事業でのさらなる成長と課題事業への対処により、業績の底上げを目指していく」(齋藤社長)。齋藤社長は、「24年も市場の不透明感は続くと思うが、中長期でみれば必ず明るい時代が到来する。先々を見ながら、今やるべきことにしっかりと取り組んでいく」と語った。
(インタビューの詳細は、1月17日付電波新聞/電波新聞デジタルに掲載)