2024.01.17 【計測器総合特集】計測器 24年の戦略 各社トップに聞く リゴルジャパン 馬井博マーケティングマネージャー
馬マネージャー
日本市場でハイエンド製品を深耕
中国リゴルは日本市場での浸透が進む。ブランド認知のため展示会に積極的に出展してきた。昨年11月には初のプライベート展示会「リゴルデー」を東京・秋葉原で開催。今月も大阪・日本橋で行う。
日本法人リゴルジャパンの馬井博マーケティングマネージャーは「昨年10月以後、売上高が前年比倍増するなど出展の成果が顕著に表れ始めた。リゴルブランドの知名度が上がってきた」と話す。
オシロスコープやファンクションジェネレーター、スペクトラムアナライザーなど汎用(はんよう)計測器は学生や個人ユーザー中心に好調という。
高級機種にも力を入れる。
昨年は、販売価格100万円を超える最高周波数帯域2ギガヘルツのオシロスコープの引き合いが自動車周辺機器のメーカーから多くあったという。
馬氏は「日本市場でリゴルは、エントリーモデルの計測メーカーというイメージだった。展示会でハイエンド製品のアピールを続けた結果、徐々にイメージが変化してきた」と手応えを感じている。知名度の向上に伴い、今後は取扱代理店を増やすことに注力する。
ハイエンド製品の販売強化のため、専門知識を備えるスタッフも増員する。オシロなら周波数帯域数百メガヘルツのエントリーモデル拡充とハイエンドモデルの強化で日本市場のさらなる深耕を図る。
リゴルでは海外展開も活発だ。2023年はインドと韓国に子会社を設立。今年はブラジルにも子会社を作る。ドイツ、英国、フランス、など欧州拠点も増えてきた。
中でもウクライナ侵攻で欧米の制裁措置を受けるロシアは同社として最も成長率の高い市場だ。
本社のある中国・蘇州で主に開発製造を行うが、6月にマレーシア・ペナンの工場が稼働開始する計画だ。全ジャンルの製品を手掛け、生産能力は従来比倍増する。
リゴルにとって、アジアは特に成長を見込む地域。マレーシアを基点に同地域への展開をさらに進める方針だ。
米国との貿易摩擦を背景に、自国製品を重視する中国政府の政策もあり、企業や研究所、学校など同国内での拡大も期待される。