2020.04.21 【電源用部品/EMCノイズ対策部品特集】スミダコーポレーション 車載用パワーインダクタ

150度対応車載用パワーインダクタ

 スミダコーポレーションは、車載向けコイル類に加え、次世代高速通信規格5GおよびIoT関連に向けた超小型インダクタへの取り組みを強化している。

 同社はモビリティ、インダストリ、コンシューマの3分野に向けて成長戦略を展開している。コンシューマ向けでは、メタル系パワーインダクタ「CDMCシリーズ」において2-17ミリメートル角サイズで幅広くラインアップする。閉磁型で高い電気的特性と磁気シールドを実現し、可聴ノイズを低減化。小型、低背化により大電流性能を向上し、磁気漏れが少ない。

 フェライト系パワーインダクタは、低損失のフェライト材を使用し、低DCRで高効率を実現している。小型、低背タイプから大電流対応まで、製品ラインアップを充実している。

 車載向けはABS用、HIDランプ、キーレスエントリ用のコイルを主力3製品として事業を伸ばしてきたが、加えてxEVで使用されるモーター、DC-DCコンバータ、インバータ、バッテリ/充電などに向けた製品戦略を展開。

 車載用パワーインダクタは、メタル系、フェライト系ともに150度の高温度対応の製品ラインアップを拡充している。自動運転に向けた安全系、環境対応のxEVでの需要増を見込む。

 トランスでは、インバータをはじめとする電源のスイッチング素子の技術動向を見ながらの製品戦略を展開。SiC、GaNといった次世代パワーデバイスへの対応を強化している。

 IGBT駆動用絶縁トランスにも注力し、新製品を相次いで開発している。

 リアクトルでは、二つのコイルを独自の磁気構造で結合させて、小型化を実現した磁気結合型リアクトルを提案する。インターリーブ方式用リアクトルとしてコア材料および構造を最適化し、機器、装置の小型化に貢献する。

 同社製のリアクトルに比べて、体積、重量を約30%減少。しかも高い直流重畳を実現。さらに大電流時の漏えい磁束を独自の閉磁路構造によって低減。周囲の電子部品への影響を抑制した。