2024.03.07 デジタル人材 日本は「再教育」、米は「外部登用」 JEITA調査で認識の差が浮き彫りに
JEITAの石橋氏(左)と小堀氏=6日
電子情報技術産業協会(JEITA)が6日に発表した日米デジタル経営調査結果は、米国企業に比べ日本のデジタル化が遅れている実態を浮き彫りにした。特に生成AI(人工知能)の業務活用を巡っては、日本企業の3割が「知らない」と回答。人材確保面では日本が「再教育」を強化している一方、米国は「外部登用」を重視していた。
6日の記者会見でJEITAソリューションサービス事業委員会の石橋潤一委員長(富士通)は「日本の労働市場状況を考えると、より幅広い人材調達戦略が必要になる」と指摘した。
一方、生成AIの調査では、シミュレーション支援やセールス/マーケティング支援など6項目について活用状況を尋ねた。6項目全般にわたって「聞いたことがない/よく知らない」と回答した日本企業は29.6~37.7%だったのに対し、米国企業は0.3~1.3%と大きな認識差があった。
6項目を「現在活用中」と答えた日本企業は7.8~12.1%と1割前後にとどまったが、米国企業は27.7~41.7%。「開発または試験的に利用中」を含めると、米国は54~72.4%に上り、18.7~25.7%だった日本を大きく引き離した。
JEITAソリューションサービス事業委員会の小堀賢司副委員長(NEC)は「日本の大企業や製造業者は生成AIのサービスレベルに対する期待が高い傾向にあることも回答に表れているのではないか」と分析した。
調査は昨年10~11月、IT専門調査会社のIDC Japanと共同で実施。正社員300人以上の規模を持つ全業種を対象に、日本企業257社、米国企業300社の経営幹部とマネージャー層に聞いた。
(8日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)