2024.03.08 【中部産業特集】日本ガイシ エナセラシリーズ 物流用途での採用を加速 展示会で搭載例訴求
リチウムイオン二次電池「EnerCera」シリーズ
日本ガイシは、超薄型・小型のリチウムイオン二次電池「EnerCera(エナセラ)」シリーズの物流用途での採用を加速させ、2024年問題の解決に貢献していく。
2月20、21両日は、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「ロジスティクスソリューションフェア2024」(主催=日本ロジスティクスシステム協会)に出展し、エナセラを搭載したデバイスとソリューション例を紹介した。
結晶配向セラミックス正極板を使用した半固体電池のエナセラは、キャパシターとリチウムイオン二次電池の長所を併せ持つ。
従来のリチウムイオン二次電池では併存が難しかった小型・薄型、高容量、高出力、高耐熱、長寿命といったIoTデバイス用電源に求められる特性を持つ。
内部抵抗が低いため、わずかな電力でも蓄電できるといった特徴を生かし、太陽光由来の微小電力を蓄電し、電池の交換や充電をしなくても利用できる自立型の位置トラッカーに適用できる。
人やモノの流れを可視化できれば、物流現場での省人化や、子どもや高齢者、ペットの見守り、人流解析に貢献できる。
昨年は、低温で作動できるといった特性を生かし、秋田の地酒をシンガポールに輸送する際に温度を記録するためのセンサーに搭載し、酒の品質証明に貢献した。
エナセラはパウチ・コイン形の2タイプがある。厚さ0.45ミリで曲げ耐性のあるカード実装向け「エナセラパウチ」はカード型デバイスや電子棚札、ウエアラブル、RFIDタグなどに使用できる。
コイン形の回路基板実装向け「エナセラコイン」は、定電圧充電が可能で、高耐熱(105度まで)、リフローはんだ実装対応タイプもあり、小型センサーデバイスや産業機器、車載製品での用途が見込まれる。
今後、医薬品などの物流用センサータグやウエアラブルデバイスなど幅広く用途開拓を進め、スマート社会の実現に貢献する。