2024.03.22 【九州・山口産業特集】九州各県で好適地取得競争が激化

畑の中に建つTSMC第一工場

 半導体関連企業に加え、周辺部品・材料、物流まで九州地区への新規進出・工場立地の話題が相次ぐ。各県でも立地誘致を目指してアクセスの良さや優遇措置などを案内しているものの、既に分譲が済んでいるなど、好適地取得の競争は激しさを増している。

 大型立地の話題の中心となっている熊本県では、立地ガイドに7件の工業団地を掲載しているが、くまもと臨空テクノパーク(益城町)、城南工業団地(熊本市)、人吉中核工業用地(人吉市)は既に分譲が終了。長洲町の名石浜工業用地は残り1区画(5.7ヘクタール)となった。

 残る、津奈木工業団地(津奈木町、5.2ヘクタール)、西の迫工業団地(あさぎり町、0.8ヘクタール)、錦町一武工業用地(錦町、1.5ヘクタール)は、分譲面積に変わりはない。

 長崎県では、長崎市の長崎市企業立地用地が完売し、諫早市で整備中の南諫早産業団地も分譲は終了した。

 分譲中は3月現在で、神ノ島工業団地(長崎市、2.1ヘクタール)、平野工場団地(松浦市、1.3ヘクタール)、松浦市東部工業団地(同、0.7ヘクタール)、パールテクノ西海(西海市、2.3ヘクタール)、第2大村ハイテクパーク(大村市、2.5ヘクタール)、佐世保相浦工業団地(佐世保市、5.9ヘクタール)、多比良港工業団地(雲仙市、6.3ヘクタール)となっている。

 佐賀県は、佐賀市で2025年度の予定で佐賀市県営産業用地(10.8ヘクタール)を整備中。また、新産業集積エリア有田(有田町、20.9ヘクタール)、新武雄工業団地(仮称)(武雄市、7.1ヘクタール)、新産業集積エリア唐津(唐津市、18.7ヘクタール)も整備中だ。

 分譲分が残っているのは、伊万里市の伊万里東部工業団地(7.0ヘクタール)と七ツ島工業団地(0.9ヘクタール)。

 今後も進出が続くかは不明だが、県単位に限らず市町村でも、工場適地への検討・調査が、相次ぐ立地に合わせて検討されている。