2024.04.14 DXに生成AI ICT業界ってこれからどうなるの?

国内ITインフラ市場の予測

 企業や官公庁などの情報システムの構築や運用を担う情報サービス産業が、業務改善や新規ビジネスの創出にデジタル技術をつなげるデジタルトランスフォーメーション(DX)の潮流に乗り、成長を加速させています。最近では、生成AI(人工知能)の急速な台頭により、業界の勢力図が塗り替えられようとしています。そんな情報通信技術(ICT)業界に飛び込んだ新入社員の疑問に、ベテラン記者が答えていきます。

 新入社員 入社して間もない私には、この業界のことがよくわかりません。具体的にどういう状況なのでしょうか。

 記者 情報サービス産業は、企業の情報システム構築を中心に据えながらも、ここ数年でその役割は大きく変わってきています。総務省がまとめた2023年版「情報通信白書」によると、スマートフォンやクラウドサービスの普及などに後押しされ、ICTの市場規模(支出額)は、22年に27.2兆円(前年比5.2%増)に達しました。単なるシステム構築にとどまらず、ITを活用した業務改革や新事業の創出などで、企業の成長を促進しているのです。

 新入社員 なるほど。コロナ禍でもICT業界は堅調に推移してきたのですね。

 記者 その通りです。オンライン会議が今や当たり前になっているように、コロナ禍はむしろ企業のデジタル化を促進するきっかけとなりました。

 ICT企業は、企業の情報システムの構築を行うソフトウエア開発やシステムインテグレーション(SI=システム構築)、システムの運用を請け負うアウトソーシング、データセンター(DC)を活用したサービス、インターネット関連サービスなどを手掛けています。ソフトやハードを提供するベンダーやSIにとどまらず、顧客に寄り添いながら業務全体の変革を提案するコンサルティングの役割も追求するようになっています。

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 新入社員 サービスの形を色々と変えてきているのでしょうか。

 記者 そうですね。ICTの技術革新には目覚ましいものがあります。技術革新とともに、刻々と変わる社会や企業の環境に合わせてICT企業も進化しなければなりません。

 例えば従来は、顧客の要求に合わせてプログラムなどを一から書く受託開発が一般的だったのですが、最近ではパッケージ化されたソフトを使ったシステム構築が主流になってきています。インターネット経由で業務システムを必要な時にだけ使うクラウドコンピューティングを採用する企業も増えていますね。

 また、全ての機器をネットワークでつなぐIoT(モノのインターネット)の普及で、機器や設備から得られるデータを収集・分析できるようになりました。こうしたデータは経営にも生かせるため、データドリブン(駆動型)経営も加速しています。

 新入社員 技術革新のスピードがすごいです。これから市場の成長にも期待できそうですね。

 記者 IT調査会社のIDC Japanは、国内ITインフラ市場が27年に7兆6000億円を超えると予測しています。22~27年の年間平均成長率は8.4%と高い成長を見込んでいます。

 ICT業界は時代を先取りするような変化の最前線にいると言えるでしょう。22年の登場以降、急速に拡大する生成AIはインターネット以来の発明ともいわれ、技術革新はまさに日進月歩で進んでいます。