2024.04.17 「電電公社時代の『特別な資産』保護を」 改正NTT法成立、通信3社が改めて「廃止」反対訴え

NTT法廃止反対を訴えるKDDIの高橋誠社長(左)、ソフトバンクの宮川潤一社長(中央)、楽天モバイルの三木谷浩史会長=昨年12月

NTTの島田明社長NTTの島田明社長

 NTTへの規制を一部緩和する改正NTT法は、17日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。付則には今後、NTT法の廃止を含めて検討し、結果に基づいて2025年の通常国会をめどに関連法案を提出する方針を盛り込んだ。これを受け、同法改正に慎重な議論を求めてきたNTT以外のKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの大手通信3社は「引き続きNTT法の廃止に反対する」との見解を改めて発表した。

 同法改正によってNTTの研究開発成果の開示義務を撤廃するほか、NTTの「日本電信電話」などグループ計3社の正式社名の変更も認める。

 NTT以外の3社は、同法廃止の検討を25年の通常国会をめどとする時限が設けられたことについて「あらかじめ法制度のあり方を方向づけるとともに拙速な議論を招きかねず、極めて強い懸念がある」と強調。「国民の負担により電電公社時代に構築されたNTTの『特別な資産』を維持し保護するため、より慎重な政策議論が行われることを強く要望する」と改めてNTT法の廃止反対を訴えた。

 一方、NTTは「研究開発の推進責務・普及責務がともに撤廃されたが、引き続き研究開発に積極的に取り組む」とコメント。「技術や市場環境の変化に合わない規制について見直しの議論が行われているが、引き続き積極的に議論に参加、協力する」とした。