2024.06.27 全国地域電器店アンケート エアコン販売  

 電波新聞社は、今夏のエアコン販売に関するアンケートを行い、全国の地域電器店80店から回答を得た。昨夏以上の酷暑が予想される中、熱中症予防や家の中の快適性を保つ上でエアコンの役割、重要性はますます高まっている。値上がりした電気代の節約と省エネの観点から販売需要が前倒しで進んだことや、高付加価値モデル増販への期待もうかがえる。

4~6月の販売台数「11~15台」「6~10台」で約52%

 Q1は、4~6月のエアコンの販売台数を聞いた。最多は「11~15台」の28.8%、次いで「6~10台」の22.5%と、ここまでで約半数を占める。「21~25台」は11.3%、「26~30台」も8.8%あった。

電気料金高騰「販売に影響」44%

 Q2は、電気料金の値上がりがエアコン販売に影響したかについて。「ある」43.8%、「ない」41.3%とほぼ同じ割合。「どちらでもない」は15%だった。

 Q2で影響が「ある」と回答した理由(Q3)は「省エネタイプへの関心が高い」「買い替えが加速した」「省エネ補助金を利用したこと」の順だった。

 Q4では、電気料金の値上がりを受け自店で工夫した取り組みを尋ねた。「普段と変わらない」が最多だが、「使用年数のチェック」「点検活動」など次への提案、訴求につなぐ取り組みが見られる。

 エアコンの高性能モデルへの顧客の関心度(Q5)は「とても高い」「高い」が計37.5%、「普通」が38.8%とほぼ拮抗(きっこう)している。

 関心が「とても高い」「高い」とした理由(Q6)の半数強は、電気代が安いという省エネ性。「自動お掃除機能」「空気清浄機能」など手軽さ、快適さも訴求ポイントになっていることがうかがえる。

 高性能モデルは販売台数が少なくても高い粗利益が得られる商品だが、販売構成比(Q7)は「20%台以下」が48.8%と約半数。次いで「30%台」17.5%。「50%台」も11.3%あった。粗利益(Q8)は「20%台以下」が45%を占める。

 エアコンと同時に売れる商材(Q9)は「特になし」が8割を占めたが、扇風機、サーキュレーターなど併用して使うことで、快適性や省エネを進める提案が行われている。

「増販に期待」7月が最多

 Q10でエアコンの増販に期待している時期を尋ねたところ、最多が7月で、次いで6月。8月と並び「冬場」とする回答も6店あり、夏は売れにくい暖房強化型エアコンの提案につなげたいとの考えがうかがえる。

 今年は5月の大型連休ごろから暑さが厳しくなったり、急に気温が下がったりしたほか、梅雨入りも例年より遅く、不安定な天気が続く。

 本年度のエアコン商戦は例年と異なりそうですか(Q11)との問いに「例年と同じ」は56.3%だった一方、「例年と異なる」は22.5%に。

 「異なる」と答えた理由を、京都市の地域店は「例年に比べ動きがはやまっており、4月半ばごろから購入している」と回答。東京都内の地域店も「動き出しははやかったが、電気代高騰もあり少し落ち着き始めている」と答えた。エアコン需要が前倒しで進んだととらえられる。

 「例年と同じ」と回答した都内の地域店は「既に普及しているエアコンは、年数がたって調子が悪いとお客が気づいた時に動く。買い替え時期も個別に異なるため大きな流れは変わらない」とした。

 川崎市の地域店は「販売台数を見ると去年と同等。ただ、マルチエアコンや隠ぺい配管接続のエアコンなどの構成比は去年よりも多い」と、販売製品の構成比率の変化を実感している。