2020.06.01 【電波の日特集】アイコムハイブリッドIPトランシーバ「IP700」発売
3月に発売した業界初のIPトランシーバとデジタル簡易無線機を1台にしたハイブリッドIP無線機「IP700」
アイコムは、IP無線機事業を拡大する。無線機が持つ一斉同報機能に加え、携帯電話網を利用して通信エリアを全国に拡大した利便性が高く評価されている。
15年8月に業界初のIP無線機を発売して以来、機器販売に伴って回線使用料ビジネスが新たなストック収益となり、同社陸上業務用無線通信機器事業をけん引している。
安全性を重視する国内の大手航空会社や鉄道会社が大量に導入。免許不要、基地局など大掛かりな初期投資不要で、初期導入コストを抑えられるため、一時的なイベントや建設工事などで使用するレンタル需要を創出した。
大規模災害時などにおけるLTE回線のトラブル時にも通信が途絶するのを避けたい自治体や運輸業からの需要も増加し、同社の19年度のIP無線機売上高は前年比30%増と伸び、回線使用料増とともに大きな事業の柱になってきている。
今後、海外の主要都市空港警備などの利用増も見込んで、陸上業務用無線通信機器市場の変革をもたらせると期待している。
このため、新製品を積極的に市場投入する。au、NTTドコモのデュアルSIM対応のIP無線機「IP502H」に加え、3月にIPトランシーバとデジタル簡易無線機(登録局/免許局)の両機能を備えた業界初のハイブリッドIPトランシーバ「IP700」を発売した。
au、NTTドコモの両LTE回線が使えるデュアルSIM対応で広域通話が可能。IPトランシーバとデジタル簡易無線機を組み合わせた通信システムも構築でき、混信の心配がないため、より使いやすい。
今夏にはauLTE搭載の特定小電力無線レピータを、年内には業界初のLTE搭載のライセンスフリー無線機を製品化して発売する予定だ。