2024.08.21 AI囲碁ロボに新機能 プロ棋譜再現や遠隔対戦 センスロボット
新機能を搭載したAI囲碁ロボット「センちゃん」と対戦する三島棋士=東京都港区
SenseRobot(センスロボット)社が開発した人工知能(AI)搭載のAI囲碁ロボットに、オンライン対局など3つの新たな機能が追加された。数万の棋譜が内蔵され、有名なプロ棋士の棋譜や古典的な名局が学べるようになったほか、対局後に攻守の弱点を分析して対局を振り返ることもできる。新機能は23日から実装される。
AI囲碁ロボットは、ミリ単位の精度で動くロボットアームが実際の碁盤上に碁石を置き、対面形式で対局できる家庭用ロボット。初心者でも碁盤の大きさを9路盤と13路盤から始められ、自分にあったレベルで棋力を向上させることが可能。正式の大きさである19路盤では、プロ棋士の最高位の九段を超える能力など24段階の対戦レベルに対応する。
「囲碁の日」に合わせ今年1月5日から日本国内で販売を始め、オセロと将棋の対局ロボットを開発した伊藤電機が総代理店として展開。「センちゃん」の愛称で親しまれ、これまでに国内37の碁会所や介護施設などに導入した。
新機能の1つである、遠隔地にいる友人とオンラインで対局できる「友達対戦」機能は、ホスト側のロボットで作成したルームに友人を招待すると、対戦相手側がロボットを持っている場合は遠隔対局が行える。ロボットがなくても専用アプリを通じてスマートフォンで対局可能。
名局が学べる「AI棋譜並べ」は、有名なプロ棋士の棋譜や古典的な名局を含め内蔵される数万の棋譜を、ロボットが順序に従って自動的に並べる機能。自分で白黒を交互に置く手動並べも可能だ。
攻守の弱点を分析する「AI振り返り」は、対局の後、専用アプリを通じてスマホで対局を振り返ることができる。問題手を見つけ出し、アマチュア棋士の棋力向上をサポートする。
センスロボットAIソリューション部長の李成蹊さんは「地方の碁会所では対戦相手を探すのに苦労しているケースも多く、オンラインで全国の碁会所とつながることで対局の機会を増やすことできる」と期待を込めた。
新機能を体験した関西棋院所属のプロ棋士、三島響さんは「棋譜の途中から打てるのは大きな魅力。最後の寄せなどを自分で考えることができ、アマの人にも実力アップにつながるのでは」と話した。
価格は税込み16万5000円。全国の碁会所や新宿高島屋で購入できるほか、アマゾンのネット通販でも取り扱う。
(22日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)