2024.08.23 【電波時評】自然遺産保護と携帯基地局建設

 2022年に起きた北海道・知床沖での観光船沈没事故は、子どもを含む乗客・乗員26人が死亡、行方不明となる痛ましいものだった。

 その救助要請にアマチュア無線や携帯電話が使われ、船舶の非常通信手段にさまざまな問題が提起された。事故を受け、総務省などが主導して携帯電話のエリア拡大を進める事業が立ち上がったが、知床が世界自然遺産の登録地域であることから、事業に疑問が投げかけられているのだ。

 携帯電話の通信環境改...  (つづく)