2024.09.24 就活生をAI面接、「E」判定まで10段階 スタートアップのABABAが新サービス
大学生によるデモの様子
就職活動支援サービスを手がけるスタートアップのABABA(大阪府吹田市)は24日、人工知能(AI)面接で内定判定を出すユニークな就活サービス「REALME(リアルミー)」を市場投入すると発表した。AI面接で判定された就職活動生の能力と、志望する企業の最終面接まで進んだ就活生の能力を比較し、エントリー前に志望企業の内定可能性を確認できる。就活版の全国共通模試とも言えるサービスだ。企業側が成功報酬を支払うビジネスモデルで、学生は無料で利用できる。
ABABAは2020年10月に設立。最終面接まで進んだ就活生だけが登録でき、その就活生を企業がスカウトできるリクルーティングサービス「ABABA(アババ)」を展開してきた。サービス開始から4年で、年間4万人の就活生と2000社の企業が活用する規模に拡大。同時に、企業の採用要件との比較・検証を通し、最終面接まで進んだ就活生の能力を可視化してきた。
新サービスのREALMEは、就活前半・中盤期の学生をターゲットに見据え、スマートフォンアプリとして提供する。利用する就活生はAIと30分程度の面談を実施。その対話内容をもとに、新卒採用で重要視される35の項目をもとに14の能力を点数化。面談で可視化された就活生の能力と、志望する企業の最終面接まで進んだ就活生の平均能力値を比較することで、エントリー前に志望企業の「内定判定」を確認できる仕組みだ。
中井達也CEOは「日本の企業で最終面接まで進んだ就活生は、仮に不採用になったとしても、絶対評価基準に基づく採用要件を満たしていた人材であると言い換えられる。そこを数値化して可視化したのが当社の強みだ」と力を込める。
評価は最高の「A+」から「E」まで10段階。前に踏み出す力、考え抜く力、関係性構築力、チームで動く力、コミュニケーション能力、組織的行動能力など14の能力について、最終選考に進んだ就活生と平均値を比較して判定する。自分と同じ経験やアピールポイントについて話した就活生の自己PRや価値観をテキストで確認でき、合格ラインから逆算した自己分析を支援する。
中井CEOは「どのタイミングで志望企業にエントリーすれば良いかが分かるようになり、志望企業への内定率を最大化できる」と説明。企業側にとっても「採用要件を満たしている可能性が高い就活生だけがエントリーしてくるため、採用活動の効率が向上する」と強調する。
就活生は一般的なリクルーティングアプリと同様、無料で利用可能。採用が成立した企業から1人75万円程度を受け取る成功報酬型モデルで運営する。
この日は、武庫川女子大学3年の伊藤あゆみさんがREALMEをデモで体験。実際にAI面談を行い、学生時代に力を入れてきたことや自分の強みについてやり取りした伊藤さんは「個別の内容について実際の面接と変わらない感覚で体験できた。内定判定だけでなく、面接の練習としても活用したい」と話した。