2024.12.18 ラピダス、最先端EUV露光装置を搬入開始 25年にパイロットライン稼働へ

式典での記念撮影。左から4番目がラピダスの小池淳義社長

ラピダスが2ナノメートルで製造する半導体ウエハーの見本ラピダスが2ナノメートルで製造する半導体ウエハーの見本

 国家規模の投資が注目される半導体メーカーのラピダスが18日、北海道千歳市で建設中の新工場に、オランダASML製EUⅤ露光装置の搬入・設置を始めた。ラピダスが目指す最先端半導体の回路線幅2ナノメートルを実現するために必要不可欠な装置。来年4月にはパイロットラインが稼働予定で、最先端の国産チップ製造に向け、本格的なスタートを切る。

 EUV露光装置は、集積回路をウエハーに転写するリソグラフィと呼ばれる工程で使われる。より高密度で微細な回路を書き込むために、波長13.5ナノメートルのEUV(極端紫外線)が必須。従来の露光装置で用いられるフッ化アルゴン(ArF)の193ナノメートルに比べて極端に波長が短く、現在はASMLが独占的に手掛けている。

 ラピダスは、日本の半導体産業の復活に向け最先端の2ナノメートルチップの量産を2027年に開始する計画だ。2ナノメートルの半導体は、受託製造世界最大手のTSMC(台湾積体電路製造)が量産を来年に控え、まだ始まってはいない。

 ラピダスは、短工期で多品種少量の最先端半導体製造を目指しており、全ての製造装置でウエハーを1枚ずつ処理する枚葉プロセスを採用する。これを生かし、半導体の設計からパッケージングまで一貫して行う半導体受託製造サービス「RUMS」の構築を進める方針だ。

 18日には、設置作業開始を記念して新千歳空港ポルトムホールで記念式典が行われた。