2025.01.01 【家電総合特集】AV/ホームソリューション25年各社の戦略 ラックスマン 末吉達哉社長
末吉 社長
100周年記念モデルを計画
伝統の音づくり継承、製品開発
2025年は創業100年の節目の年になる。100周年を迎えられるのもお客さまをはじめ、販売店やサプライヤーなどパートナー各社に支えられてきたことに尽きると思っている。
今後も、こだわってきた、音楽性豊かにみずみずしく自然で伸びやかなラックスマンらしい音づくりを継承した製品作りをしていきたい。
24年はコロナ禍も明け、海外でも安定して製品供給できるようになった。新たな代理店契約などもでき販路が拡大したほか、円安の影響もあり、海外では品質が高く購入しやすい価格を実現している日本の製品がさらに注目された。当社製品もこの波に乗り、順調に拡大できた。
国内は猛暑が長引き家庭の支出が趣味以外に回ったこともあったが、時流に合わせた新製品を投入できたことで堅調に推移することができた。
この一年で投入した新製品で見ると、23年12月に発売し24年から本格展開したプリメインアンプのベースモデル「L-505Z」が市場からもラックスマンらしい音づくりになっていると高く評価され順調に伸びた。
ハイレゾ音楽配信サービス「Qobuz(コバズ)」の日本でのサービス開始と同じタイミングとなったDAコンバーター「DA-07X」は、当社初のネットワークトランスポート「NT-07」と共に注目され、販売につなげることができた。
昨年は国内外から要望のあったフォノイコライザーの上位機「E-07」も発売した。これによりアナログからデジタルまで一貫してラックスマンサウンドが構築できるようになった。
さらに、あらゆるヘッドホンの性能を引き出すヘッドホンアンプのフラッグシップ機「P-100 CENTENNIAL」を100周年記念モデル第1弾として発売した。各製品とも評判が良く、順調に販売につなげることができたとみている。
17年から国内販売代理店となっているフランスのオーディオブランドFOCAL(フォーカル)のハイエンドスピーカーとヘッドホンの展開も順調に進んでいる。
フォーカルは、当社の音楽性を重視した音づくりに通じるコンセプトで開発されているため、組み合わせて提案することで、ラックスマンの音の表現をより引き出してくれる。今後も連携して提案をしていきたい。
25年は海外の不安定な情勢や、部材の高騰がさらに進んでいくとみており、大きな転機の年になりそうだ。特に変動的な市場環境に対応した体制構築を進めていく計画で、設計から生産販売まで機動的に対応できるようにしていく。併せてマーケティングも強化していきたい。
100周年記念モデルは、100周年を見据えて開発した次世代の増幅帰還エンジン「LIFES」を代表とする独自の技術とこれまで培った伝統を大切に、音質だけでなくデザインや使いやすさなど、あらゆる面でお客さまの期待を裏切らない製品を計画している。ぜひ楽しみにしてほしい。