2025.01.01 【家電総合特集】AV/ホームソリューション25年各社の戦略 日本アンテナ 瀧澤功一社長
瀧澤 社長
昨年は当社にとって大きな変化をもたらした一年だったが、多くの方からの支援を得ながら取り組むことができた。
当社は「あらゆるコトをつないで、みなさまの生活をより豊かにする」というミッションを掲げている。
この理念のもと、私たちは社会課題の解決に寄与するため、当社の強みである「つなげる」技術を生かしたさまざまな活動を継続していきたいと考えている。
私たちの技術は、単なる情報の伝達にとどまらず、人々の生活をより便利で豊かにするための重要な役割を担っていると思っている。
その一例としては、当社の市場シェアが高い消防無線や防災無線に関わる官需向け機器がある。その中でも防災行政無線は、関係機関が連携して災害情報を迅速で正確に伝達・収集する手段になっている。
地上系通信網、衛星系通信網への関わりや、Jアラートのような緊急地震速報、大津波警報など、対処に時間的な余裕のない事態に関する情報を瞬時に伝達するシステムがこれまで以上に重要になってきている。
こうした緊急性の高いシステムなどにおいては、当社がこれまで培ってきた「つなげる」技術が防災・減災への取り組みに大きく貢献しているとみている。
また、近年実証に取り組んできたテレビ伝送システムのIoT活用による伝送路IoT監視ソリューションを商用化した。
このソリューションはLPWA(低消費電力広域通信)とクラウドを活用し、主にCATV(ケーブルテレビ)伝送路において、遠隔からでも下り信号と電源の状態を可視化することができるシステムになる。
現在は設備不具合時の対応に課題を持っている事業者に採用されており、不具合の先取り検知や設備保守の省人化を目的に利活用しており、成果も上がってきている。
この仕組みは導入に際して大規模なシステムは必要ない。約10センチメートル角の監視装置を導入し、クラウドへ接続するだけで利用できることが大きな特長になっている。
より簡単に導入できることから施設保守などに課題を抱えている事業者に対して引き続き訴求していきたいと考えている。
一方で、当社ミッションを遂行し続けるためには持続的な安定成長が必須になっている。この課題を解決していくために現在、さまざまな取り組みを進めている。
具体的には、営業力の強化や仕入れ原価の低減をはじめとしたコスト削減策に取り組んでいるほか、固定資産の効率的な運用や在庫の適正化など、収益性の抜本的な改善を進めてきている。
これらの取り組みにより、業績は着実に回復に向かってきている。
今後とも引き続き当社の「サステナビリティ基本方針」を軸とし、「あらゆるコトをつないで、みなさまの生活をより豊かにする」というミッションを遂行していくことが大切だ。
新商品の開発だけでなく、学校・自治体と連携した社会貢献活動といった新しい価値創造に向けて挑戦を継続していきたいと考えている。