2025.01.01 【家電総合特集】AV/ホームソリューション25年各社の戦略 富士通ゼネラル 中川陽介経営執行役常務 空調機部門ジャパンビジネス本部本部長
中川 常務
エアコン中級機をフルモデルチェンジ
ランドリー機能を訴求
2024年度は早い時期から全国的な猛暑になり新規、買い替えともにエアコン出荷は好調に推移している。数年来、エアコンのトレンドは省エネと清潔になっており、当社の「ノクリア」シリーズも「省エネ」と「清潔」を前面に出すとともに「暖房」機能を強化し提案を進めている。
25年は、清潔機能と施工性を強化した中級モデルのフルモデルチェンジも予定しているほか、新型のウエアラブルエアコンも発売し、新たな需要を取り込んでいきたい。
国内のエアコン市場は年間900万台程度の出荷が続いている。23年度は猛暑だったもののコロナ禍で需要を先食いした反動で前年を下回った。24年度は底堅い需要に支えられ順調に推移し年間900万台に回復するとみている。
国内消費動向をみると省エネ志向の高まりや自治体などの補助金などもあり、省エネ性能の高いモデルを求める人も多い。
27年度を目標年度とする新省エネ基準への対応も進めた。ノクリアは上位機のX、Zシリーズだけでなく、いち早く中級機のWシリーズも新省エネ基準をクリアし現在では販売の柱になるほどになっている。
ノクリアは省エネに加え清潔も特長だ。当社は熱交換器加熱除菌を前面に出すとともに、「まるごとクリーンタイマー」機能により設定した時刻に自動で掃除するため常に清潔な状態を保てる。
あわせて暖房機能も訴求している。北海道や東北の寒冷地でもエアコン暖房が注目され暖房強化型の寒冷地エアコン「ゴク暖ノクリア」シリーズも堅調だ。
部屋の温度を下げないよう除霜運転中も暖房できる「バイパス暖房」を搭載。ノクリア上位機のX、Zシリーズにも搭載し暖房性能は引き続き強化していきたい。
24年は設置後のサポート体制も強化。サービス部門とパートナー企業と連携して修理依頼を受けてからの駆け付けまでを速やかに行えるようにした。
24年度は夏の繁忙期に一部地域を除き、おおむね平均3日で駆け付けることができた。
25年は中級機モデルのフルモデルチェンジを予定している。清潔性能を高めるとともに施工性も上げたモデルで提案を強化したい。加えて、ノクリアに以前から付いている衣類乾燥を目的とした「ランドリー機能」を提案したい。
最近は気密性の高い住宅が増えるとともに部屋干しをする人が増えている背景から、ランドリー機能も改めて訴求していきたい。
スマートフォンからエアコンを操作する「ノクリアアプリ」は、外出先からでもエアコンの操作ができ、ご好評をいただいている。
機能も拡張して操作風向と風量の操作もできるようになった。1月末からはアップルウォッチで操作できるようになり、利便性が高まる。
新たな製品ではウエアラブルエアコンの新製品を発売する。4世代目となるネッククーラーは小型でありながら圧倒的な冷却性能を実現した。
熱中症対策が急務になっているフィールドワーカー向けに提案していきたい。
今後もサービスを含めて、お客さまのニーズに合った製品を開発し、展開していく計画だ。