2025.01.09 【電子部品総合特集】部品メーカートップに聞く 2025年の経営戦略 ダイヤモンドエレクトリックホールディングス 小野有理社長

小野 社長

地域エネルギー事業で合弁設立

 5カ年の中長期経営計画【炎のスクラム】を2023年10月にスタートさせ、今年4月から同計画の3年目を迎える。最終年の28年3月期に売上高2000億円、営業利益率6%達成に挑んでいる。

 当社は自動車用部品のTier1として内外の自動車メーカーと取引させていただいている。

 世界に13工場あるが、社長として年間20~30回は工場へ行っている。工場内の改善や安全意識は徹底されているか、お客さまへのホスピタリティーはどうか、あいさつや環境整備は行き届いているかなどを直接指導していくためだが、社長三大方針の意識を根底に持つことを全社員に心合わせしている。

 「全てはお客さまのために」の意識を根底に持つことを全社員に強調している。

 こうした意識を徹底させ日常の業務を遂行しているが、24年度上期(4~9月)は売上高441億円、前年同期比2%減。営業利益は、原材料高騰の折に価格転嫁が進み、同時に全社的な生産性が改善し黒字転換した。

 当社の主要事業の一つである自動車機器事業は、半導体不足に悩んでいた自動車メーカーの車両生産が回復した結果、24年度上期は7%の増収だった。点火コイル単価を正常に戻した点が大きいが、点火コイルのシェア拡大にも努めた。

 人々の便益に資する内燃機関の点火コイル事業では絶対に生き残れると確信している。ホンダと日産自動車が経営統合に向かうということだが、今後の当社への影響は未知数だ。

 エネルギーソリューション事業では東京電力HD向けの市場投入遅れもあり上期の売上高は微増となった。25年は地域のエネルギー事業が動き出す。昨年12月、鳥取市などと合弁会社を設立し脱炭素事業をスタート。同事業ではレッドオーシャンで戦い抜き、ブルーオーシャンで他社より先行したい。

 電子機器事業はエアコン向けのリアクターが堅調だが、欧州向けヒートポンプでの需要の下降傾向が気がかりだ。上期は減収だったが固定費抑制で利益は2桁伸長した。

 3大事業部門の売り上げ構成比は3対3対3だが、25年度は電子機器事業の比率を「4」に引き上げたい。