2025.01.09 【電子部品総合特集】部品メーカートップに聞く 2025年の経営戦略 Connectivity Japan 鶴山修司社長
鶴山 社長
SDV・5ギガbps通信など訴求TE
2024年10月1日付で社名を「TE Connectiyity Japan」に変更した。24年度(24年9月期)は大きな変革期だった。ポイントはグローバル化推進と社名のグローバルブランド統一化。ブランド統一だけでなく、TEのグローバル資産を活用し、全社一丸で対応する姿勢を表している。
TEグローバルの24年9月期は総売上高158億ドルを達成。GAAP営業利益率は17.6%、調整後営業利益率は18.9%と、共に過去最高を更新した。
日本でも24年は多くの引き合いをいただくことができ、特に「人とくるまのテクノロジー展」ではEV向け800V高電圧ソリューションの提案を評価していただいた。日本でも顧客の800V電動化への関心は高く、一部顧客では採用への動きが始まっている。クラウドAI(人工知能)関連のデータセンター向けでも飛躍できた。
25年はSDV(ソフトウエア定義車)が動き始めると考えている。EVの効率的なエネルギー伝送が進めば車室内にも変革が起こる。5ギガbps通信速度への訴求も進める。小型化や多極化、そして信号・電源・高速通信などを組み合わせた統合型ソリューションにも力を入れる。
TEは多様性を育む社内風土づくりのため、「ERG活動」を推進しており、その一つに女性の活躍と包括的で多様な環境づくりを促進する「WIN」がある。24年日本のWIN活動では、社内食堂を刷新してメニューを充実させ、ウェルビーイング向上につなげた。社内に「Mother's Room(授乳室・搾乳室)」を新設し、出産後の従業員が安心して職場復帰できる環境を整えた。本社オフィスも改装し、安全で働きやすい環境整備を進めている。
採用戦略では、26年4月入社の新卒採用活動を再開する予定。中途採用は、グローバルな環境で活躍できる人材を積極的に確保していく。現在当社で活躍している人材に対しては能力開発をさらに充実させて人材活性化を進め、女性リーダー育成にも注力する。30年に向け売り上げ成長が期待されるため、しっかりと雇用を進める。モノづくり面では豊富な知見を世界に発信するため、「匠活動」を立ち上げた。
サステナビリティーにも力を注ぐ。TE Japanは、24年4月からREC購入を通じて100%再生可能エネルギー由来の電力使用を実現。今後もCO₂やスクラップの削減などに取り組む。