2025.01.15 【LED/次世代照明特集】ホタルクス 山村修史代表取締役社長

山村 社長

ウイルテックとシナジー発揮へ

 昨年の照明市場を振り返ると復調傾向ではあるが、踊り場を脱却したとまでは言い難い状況だ。2011年の東日本大震災以降に、節電需要もあってLEDへの切り替えが進んだが、近年は伸びが鈍化している。

 原材料費の高騰などもあって当社も製品の値上げを行っているが、あくまで材料費が上がった分のみ。収益を押し上げるような効果は少なく、照明の価格は依然として厳しい状況だ。

 そうした中、23年12月に製造業の人材派遣やEMS(受託製造)を手掛けるウイルテックのグループに入った。24年は本格的に協業が動き始め、当社とウイルテック、グループ会社のデバイス販売テクノの3社合同でEMSのプロジェクトを立ち上げた。営業ワーキンググループ、技術ワーキンググループ、ものづくりワーキンググループという三つグループで、新製品・サービスの検討をはじめた。

 昨年10月には、3社合同で展示会「ものづくりワールド大阪」に出展するなど、お客さまに向けてアプローチを始めた。今年は成果を出していきたい。

 「水銀に関する水俣条約」で、27年末には直管型蛍光灯も製造・輸出入ができなくなる。当社も27年12月末で直感蛍光ランプなどの生産を終了する。ただ、設備の切り替えが難しいお客さまもいらっしゃるので、市場の混乱を防ぐ意味でも可能な限り対応していきたい。

 交換工事は必要となるが、事務所などの直管蛍光ランプをLED照明に置き換える際に、器具本体ごと交換する「LED一体型ベース照明(Nuシリーズ)」や、使用中の器具本体はそのままに、ランプのみ交換でLED化する「AC直結G13口金直管LED光源」などもラインアップしている。

 蛍光ランプを製造する滋賀工場(滋賀県甲賀市)は、設備を一部転換する必要がある。昨年、既にOEMとして照明以外の製品の受託生産を始めている。今年は、ウイルテックとのシナジーをさらに発揮していきたいと思っている。

 主力のシーリングライトは、ホタルック機能を全てに搭載した家電量販店モデルなど、基本性能を充実させ、日本製であることもアピールして、高付加価値商品として販売に当たる。