2025.02.27 英アーム、エッジAI市場開拓へ 小型CPUコア投入
「身の回りのものに搭載されて初めてAIの可能性を実感できる」とエッジAIの価値を語る横山社長
ソフトバンクグループ(SBG)傘下で英半導体設計大手のアームは、CPU(中央演算処理装置)の中核を担うコア製品を発表した。小型化を実現したことが特徴。端末内でデータを処理する「エッジAI(人工知能)」のニーズが高まる中、プロセッサーと組み合わせたエッジAIプラットフォームとしても展開する。
今回発表した新製品「Cortex―A320」は、多様なIoT機器へ搭載できるよう、コンパクトに仕上げた。機能面では、同社の最新アーキテクチャー「Armv9」を採用し、前世代と比べ10倍の機械学習性能を備えることが売り。多大な計算能力が必要となるエッジAIのニーズに応えたい考えだ。
同社のさまざまな製品と組み合わせて利用することも想定している。同社のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)「Ethos-U85」と組み合わせ、エッジAIプラットフォームとして提供。これにより機械学習性能が向上し、昨年発売した前世代のプラットフォームとの比較では8倍に達するという。
新製品は、AI開発支援用として昨年発表したソフトウエア・エコシステム「Kleidi」へ組み込むことも狙う。こうした展開が最大70%のシステム性能向上につながる効果を確かめた。
同社日本法人の横山崇幸社長は、「IoT分野のAIにはシンプルかつ安全で柔軟性の高いものが求められる。今回の新製品はその要求に対するアームの回答だ」と自信を見せた。