2025.02.28 TENTIALが上場、リカバリーウェアで急成長 今期売り上げ169億円へ
東証グロース市場に上場したTENTIAL
リカバリーウェアを展開するTENTIAL(テンシャル)が28日、東証グロース市場に上場した。2025年1月期で約120億円の売り上げを見込み、前年から倍以上を計画する中、上場を機に急成長するリカバリー市場でブランドの確立を目指していく。
「スポーツ大会だと地区大会にエントリーしたという思い。プライム市場のトップがトヨタだとすれば、そこを目指していくようなスタンスで臨んでいきたい」。上場に合わせて東京都内で開いた事業戦略説明会で、中西裕太郎代表取締役CEOはそう思いを語った。
18年2月に設立した同社は、20年1月期の売上高が3700万円。26年1月期は169億7300万円を計画しており、20年1月期から24年1月期までの売上高CAGR(年平均成長率)は247.6%と急速に成長している。
背景にあるのが、健康意識の高まりとともに拡大を続けるリカバリー市場の存在だ。同社によると、セルフケアや衣服、寝具などリカバリー関連の市場規模は23年で5.4兆円。それが30年には14.2兆円と約2.6倍への拡大を予想する。
拡大する市場の中、成長をけん引するのがリカバリーウェア「BAKUNE(バクネ)」になる。累計100万枚の販売を突破した主力製品で、売り上げ全体の約8割を占める。
バクネ偏重のリスクはあるが、中西CEOは「これまではバクネを中心に広告投資をしてきた」とした上で、「リスクも理解している。規模が大きくなってきたため、リスクコントロールをさらに徹底していく」と強調。寝具やワークウェア、リカバリーサンダルなどバクネ以外の製品も成長しており、「来年以降、さらに伸ばせる」(中西CEO)と自信を見せる。
同社が売上高100億円、新規株式公開(IPO)を3~5年以内に達成するという目標を打ち出したのは22年11月。当時の目標を上回るスピードで達成したとも言えるが、中西CEOは「上場はスタートラインに立ったという感覚。逆にこれからが本番」と力を込めた。
初値は2600円で、公募・売出価格の2000円を3割上回った。