2025.04.14 先端半導体の開発支援に200億円、米国にデモセンター新設 KOKUSAI ELECTRIC
韓国のグループ会社の工場に拡張したデモ評価エリア(出所:KOKUSAI ELECTRIC)
半導体製造装置を手掛けるKOKUSAI ELECTRICが、米国オレゴン州に「米国デモセンター」を新設する。2026年9月の稼働開始を目指し、半導体メーカーへの開発支援体制を強化する。デモ評価や技術サポートを提供することで、微細化や三次元化が進む複雑な半導体製造技術への対応力を高める狙いだ。
同社は、成膜プロセス装置やトリートメント(膜質改善)プロセス装置を中心に、ロジックやメモリー分野の前工程装置を展開。原子層レベルで成膜可能なALD技術を活用し、世界でも高いシェアを持つバッチ式成膜装置を供給している。
米国デモセンターは地上1階建て、敷地面積約3万4000平方メートルの規模で、25年9月に着工する予定だ。総投資額は約200億円。これまで富山事業所(富山市八尾町)で対応していた米国顧客向けのデモ評価を現地で実施できるようにし、評価用ウエハーや人員の移動コスト・時間を削減。迅速できめ細かな技術サポートの提供を目指している。
新設の背景にあるのは、AI(人工知能)需要を中心に最先端の半導体デバイス需要が拡大し、製造技術も年々高度化している現状がある。こうした市場動向を受け、同社は23年にも、グループ会社の韓国・平澤工場で評価エリアを拡張。今回の米国での取り組みも、グローバルでの開発支援体制の強化策の一環だ。
同社は今後、米国デモセンターの拡張も視野に、顧客の研究開発を技術面から支援し、最先端半導体の進化を支えていく方針だ。
<執筆・構成=半導体ナビ>