2025.04.25 トランプショックより大きな衝撃に備えを 自由民主党半導体戦略推進議員連盟名誉会長 甘利明氏に聞く
取材に応じる甘利氏
半導体は国家のチョークポイント
半導体・電子部品の国際供給網(サプライチェーン)を取り巻く政治状況が激変する中、自由民主党元幹事長で同党半導体戦略推進議員連盟名誉会長の甘利明氏が東京都内の事務所で取材に応じた。
深刻な台湾有事
「トランプショック」ともいうべき米関税政策だが、甘利氏はより大きな影響が生じうる地政学的リスクとして、台湾有事にも注意を向けるようあらためて促す。製造拠点が集中する台湾島が海峡封鎖を受ければ2008年のリーマンショックより大きな衝撃が広がり、トランプショックどころでない深刻な事態になりかねない。
産業、軍事、医療などあまねくデジタル変革(DX)が進む21世紀の社会で、半導体は20世紀における石油と同じく国家のチョークポイント(戦略的阻止点)になっているとし、供給される国の生殺与奪権を供給する国が握ることになると指摘。供給を中国に依存する危険も語り、日本が供給側に立つことの意義を強調した。
甘利氏は経済安全保障の観点から携わってきた日本の半導体受託製造(ファウンドリー)新興Rapidus(ラピダス)を例に挙げる。同社の課題は「顧客の確保」と「歩留まり」の二つだが、いずれも解決する見通しを示した。
製造企業が優位に (つづく)