2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】サンワテクノス 医療機器、社会インフラ積極投資

松尾 社長松尾 社長

 サンワテクノスは、2030年度に向けた長期ビジョン「SUN-WA VISION 2030」の達成に向け、25年度から第12次中期経営計画「SGP2027(SUN-WA Growth Plan 2027)」(3カ年)をスタートした。

 松尾晶広社長は最近の動向について、「受注は若干の回復傾向が継続しており、在庫調整局面がようやく落ち着いてきた。地域別では、中国は受注・売り上げともに回復してきておりASEANも回復傾向。製品別では、工作機械やマウンターなどが回復し、半導体製造装置は中国の内製化志向の影響が少しあるが、これが戻ってくればさらに勢いが増すとみている」と説明する。

 新中計では基本方針に「市場環境の変化に適合する事業構造改革」「3つの成長戦略による収益力の強化」「成長を支える投資と個別戦略の実施」を挙げ、27年度KGIに営業利益80億円超、ROE10.0%超、PBR1.0倍超を掲げる。

 事業構造改革では、従来の3事業区分を4事業区分(①電子コンポーネント②制御デバイス③産業用PC④FAソリューション)に再編するとともに、イノベーション本部によるソリューション開発を強化する。

 収益力の強化では、顧客に密着したエリア戦略、製品に精通した商品戦略、業界に精通した顧客セグメント戦略の推進による収益力向上を図る。「エリア戦略は、昨年、国内5支社と海外3地域統括(中国、ASEAN、欧米)の体制を整備した。各エリアでの情報やニーズを把握し、集約されたエリアに商品戦略を敷き詰めていく」(松尾社長)。

 顧客セグメント戦略は、新たに積極的投資セグメントに「医療機器」と「社会インフラ」を加え、既存6セグメント(半導体製造装置、ロボット、工作機械、車載、FAコンポーネント、専用機械)と合わせ計8セグメントを特定。市場の魅力度や同社の強みを考慮しながら、戦略的なリソース投入を行う。

 3カ年累計で100億円の成長投資を計画し、「海外企業開拓や日本のとがった技術を持つ企業への投資などに充当する」(松尾社長)。DX投資や人的投資にも積極的に取り組む。