2025.07.25 法務担当者を自律的に支援するAIエージェント リーガルオンが今夏に提供

登壇した角田CEOはAI戦略と海外進出に意欲を示した

法務特化型AIエージェントの独自性について(提供:LegalOn Technologies)法務特化型AIエージェントの独自性について(提供:LegalOn Technologies)

 人工知能(AI)を活用して法務業務の効率化を支援するサービスを手がけるLegalOn Technologies(リーガルオンテクノロジーズ、東京都渋谷区)は、8月をめどに法務に特化したAIエージェントの提供を始めると発表した。AIエージェントの開発強化などに向けて、総額71.4億円の資金調達も実施。米オープンAIと戦略的な連携に乗り出したことも明らかにした。
 
 今回の資金調達は、第三者割当増資や既存株式による株式譲渡などからなる「シリーズEラウンド」として実施。これを機に、「リーガルAIの開発強化」「AIエージェントの自社開発」「グローバル投資の拡大」に弾みをつける。

 リーガルオンが法務支援のプラットフォーム「LegalOn」で、「LegalOnアシスタント」と呼ぶ既存のAIツールを拡張し提供する機能が、法務特化型のAIエージェント。弁護士の知見に大規模言語モデル(LLM)を組み合わせたAIエージェントで、法務担当者の業務負担を大幅に軽減してくれる。

 9月末以降には、LegalOnアシスタント」と連携するAIエージェント群「LegalOn Agents」をプラットフォームに順次搭載する計画だ。LegalOnアシスタントに話しかけると、法務案件の処理や契約書の自動処理などを担う複数のAIエージェントに指示を出し、複雑な法務を自律的に解決してくれる。

 24日には、自社開発したAIエージェント「Sela(セラ):AI営業アシスタント」を自社の営業組織に導入した。AIエージェントの社内活用を促すことで、2027年までに業務効率を10倍以上に引き上げ、650人のチームで1万人に匹敵する生産性を実現できるようにしたい考えだ。 

 さらに、グローバル展開も加速。日米英に加えて、25年度中にアジア太平洋地域へ進出することを目指す。

 都内で開かれた事業戦略発表会で、角田望CEO(最高経営責任者)は「AIの社会実装に貢献できるよう、AIやAIエージェントをコンセプトの中心に据えて展開していく」と強調。続けて、「リーガルAIの市場は立ち上がるタイミング。このフェーズをリードし、世界を変えていく」とも述べ、市場開拓でけん引役を担うことに意欲を示した。