2025.08.08 東芝の4~6月連結 減収だが営業利益2.8倍
東芝が8日発表した2026年3月期第1四半期(25年4~6月)連結決算は、前年同期比1.5%減の7379億円、営業利益同2.8倍の401億円、最終利益同3.8倍の1469億円となった。営業利益と最終利益はメモリー事業を除いた事業ポートフォリオとなって以降で最高となった。
売上高は公共や半導体、HDD(ハードディスクドライブ)が堅調に推移したものの、POS(販売時点情報管理)システムや複合機などのリテール&プリンティング事業が米関税施策の影響を受けたことで減収となった。
営業利益もリテール&プリンティングが米関税影響を受け減益だったが、エネルギーや防衛などのインフラが好調に推移するとともに、HDDの製品保証引当金の減少や、エレベーターの改善が寄与し、前年同期比で大幅な増益となった。最終利益は東芝マテリアルの株式譲渡益もあり大幅増だった。
同社はこれまで限界利益率と固定費比率の改善に取り組んできた。池谷光司副社長は「売価施策や固定費削減などの経営改革と自助努力の継続的な取り込みが奏功し改善が定着してきている」などとコメントした。
米関税影響を受けたリテール&プリンティング事業はこの先、売価施策や構造改革を継続していくことで影響を最小限にしていく計画だ。