2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】NECプラットフォームズ 河村厚男社長

AIと宇宙・防衛に軸足

選択と集中で事業再編を加速

 上期は引き続きDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の広がりに支えられ堅調に推移している。特に中小企業は依然としてデジタル化の余地が大きく、今後2年程度は追い風が続くだろう。

 一方で効率化の先には「付加価値創出への転換」が不可欠であり、AI(人工知能)の活用がその鍵になる。

 当社自身も、経営基盤や工場現場で生産・開発プロセスの可視化を進めてきた。リアルタイムでデータを把握し改善に反映できる体制が整いつつあり、効率化の成果が着実に表れている。今後は蓄積されたデータをAIに解析させ、過去の施策の妥当性検証や挑戦的取り組みの方向性判断に生かしたい。

 工場検査では製品を360度回転させカメラ撮影し、AIが異常を検出する仕組みを導入。熟練作業者の動きをAIに学習させ、技能伝承にも役立てている。

 掛川事業所(静岡県掛川市)では、デジタルツインを活用して現場の人や物の動き、位置・流れを把握するNECの作業行動可視化アプリケーションを導入。ピッキング部品準備作業が最適化され、作業人員の約30%削減を実現した。

 生成AIについてもチャットGPTをベースにした社内システムを導入済みで、NECグループ共通ブランド「ブルーステラ」と連携しながら市場投入を視野に入れる。

 市場の変化に合わせて事業の選択と集中も進めており、8月にはリテール事業を外部に譲渡した。テレコム事業が停滞する一方、宇宙・防衛事業は国家戦略と連動して拡大を続けている。組織もテレコム部門と宇宙・防衛部門を明確に分け、成長戦略チームと、利益チームで運用していく。今後も成長性の高い領域に経営資源を振り向けていく。

 海底ケーブル事業は世界三大ベンダーの一角として信頼を得ており、クラウドの利用増に伴いさらなる需要拡大を見込んでいる。

 事業運営の方向性については子会社単独での拡大より、NECグループ全体で顧客価値を最大化するシナリオに重点を移している。単年度の売り上げ増を追うのではなく、持続的利益と顧客との信頼関係を重視し、統合や再編を進めながら事業ポートフォリオを再設計している。

 グループ内の人材交流も社内ドラフトのような形で進んでいる。会社がレールを敷く従来型から、社員自身がキャリアパスを選択する自律型へ移行させた。個人が多様な経験を積むことで市場変化に強い人材を輩出していきたい。

 下期以降もDX需要は続くと見込まれる。AIを軸とした新しい価値創出を加速させ、NECグループ全体で標準化・商品化を進めていきたい。