2025.09.08 【コンデンサー特集】ニチコン、小型化・高容量化・低ESR化などに対応

高導電率リードを採用したGWCシリーズ

 ニチコンは、小形化、高容量化、低ESR化、高温度化などの技術ニーズに対応し製品を開発している。

 導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーの125度で4000時間保証のGYGシリーズは高容量箔(はく)と薄手セパレーターを採用。同社標準シリーズの温度保証と耐湿保証を維持しつつ、3ランクの高容量化と最大1.8倍の高リプル性能を実現。また、GWCシリーズは高導電率リードを採用することにより、従来の保証寿命を維持しつつ、従来製品より最大約1.1倍の高リプル性能を実現した。

 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサーは、4月開発のPCYシリーズに注力。高耐熱性の封止ゴムを採用し、気密性の向上を図ることで導電性高分子の劣化を防ぐ。また、電解質である導電性高分子材料を最適化することで、125度で1万2000時間の高温長寿命と85度・85%RHで1000時間の耐湿保証を実現。

 さらにPCAシリーズは高耐熱封止ゴムの採用と電解質・電極箔の最適化により、定格80V品のラインアップを拡充。従来品と比べて高容量・高リプルに対応し、機器の高性能化に寄与。125度・4000時間のリプル重畳保証を持つ。

 チップ形アルミニウム電解コンデンサーでは、7月量産開始のUCNシリーズは従来品に対して静電容量を1.5倍に、保証寿命を125度2000時間から3000時間へ長寿命化。車載12Vラインでの暗電流を考慮した回路設計ニーズに対して16V印加時の漏れ電流保証を新たに設定した。

 フィルムコンデンサーは、平滑コンデンサーとして「EMシリーズ」が広く採用。

 高いエネルギー密度とパワー密度を持つ小型リチウムイオン二次電池のSLBシリーズは、情報通信機器を中心に累計出荷数が9000万個以上に達した。同シリーズはマイナス30~プラス80度まで対応可能。また、80度環境下での充放電サイクル試験において、容量維持率80%を達成するまでのサイクル回数を約1万9000回に延ばすことに成功した。