2025.09.26 【関西エレクトロニクス産業特集】Beyond EXPO 交通 空飛ぶクルマなどデモ 事業化に向け取り組み進む

SkyDriveの空飛ぶクルマ(万博会場で)

 大阪・関西万博の目玉となっているのは「空飛ぶクルマ」。西側には空飛ぶクルマの離発着場、万博会場内ポート「EXPO Vertiport」があり、オリックスが整備・運営を担う。また、万博会場からほど近い大阪港には、大阪市高速電気軌道が運営する「大阪港バーティポート」が存在する。各所で空飛ぶクルマのデモフライトなどが行われている。

 空飛ぶクルマを手掛けるSkyDrive(愛知県豊田市、福澤知浩CEO)は、7月末から1カ月間会場内で「SD-05型」のデモフライトを実施。約3分間、4メートルの高さで50メートル飛行しながら移動し、安全性を確認しつつホバリングなどの動作を検証していた。

 また、大阪港バーティポートでも9月中旬の約1週間、自動運転でのデモフライトを実施していた。万博の外で一般にSD-05型のデモフライトを公開するのは珍しいという。福澤CEOは「社会受容性を高めたい」と話す。

 SkyDriveと大阪市高速電気軌道は昨年、空飛ぶクルマの事業化に向けた検討を行うことを目的に資本・業務提携を実施した。大阪市高速電気軌道は、2028年に開設する大阪・森之宮の新駅での空飛ぶクルマの発着場の整備を目指すという。福澤CEOは「近い将来、空飛ぶクルマが森ノ宮、新大阪、天王寺、神戸に移動する際の移動手段になっていれば」と期待を込める。

 丸紅は、米国LIFT AIRCRAFT社が開発・製造する一人乗り電動垂直離着陸機「HEXA」を推進。デモフライトを実施。有人によるフライトで、フライト時には高さ10メートル、約10分間のエキシビション飛行に成功していた。

 会場内輸送を行う自動運転バス「自動運転eMover」は、午前11時30分から午後6時頃まで、1日に38便を営業運行。万博開幕以降、合計1万8000人以上を輸送した。自動運転レベル4相当での運行し、合わせて遠隔監視室より監視の実証実験を実施している。

 今後は万博のレガシーを生かし、進化した交通サービスを大阪の交通サービスに実装し、都市の活性化につなげていくという。