独半導体大手のインフィニオン・テクノロジーズは先月末、パワーMOSFETの新製品を発表した。モーター駆動や高性能スイッチングなど、特定の用途に最適化された製品により、同社の「OptiMOS7」パワーMOSFETを拡充する。

　新製品のうち、「OptiMOS7 25V」は、スイッチング用のアプリケーションに対応する。大電力が必要になるAI（人工知能）演算用のチップへの電源供給で、48Vから中間電圧まで降圧する場合などを見込む。このようなデバイスでは大電流が扱えて高周波に対応できる性能が求められ、スイッチング損失を抑える必要があるためだ。他にも、通信やサーバーでのスイッチング電源にも使える。旧世代である「OptiMOS5 25V」と比べ、オン抵抗を最大20％低減しつつ、オン抵抗とスイッチング特性のバランスを示す性能指標であるFOMを最大25％改善した。　

　モーター駆動向けの「OptiMOS7 40V」はオン抵抗の低減やノイズ耐性の向上を実現。電圧が一時的に跳ね上がるオーバーシュートが減少することで、厳しい条件下での性能が高くなった。信頼性が担保できることもあり、モーター駆動や電動工具、ガーデニング用途を想定する。