2025.10.03 横河電機、AI活用でクラフトビールの発酵工程を短縮
受賞歴もあるクラフトビール「BANK IPA」(提供:CRAFT BANK)
横河電機とグループ会社の横河デジタル、クラフトビールを醸造するCRAFT BANK(京都府福知山市)は、クラフトビール「BANK IPA」を対象に自律制御AI(人工知能)を活用した共同実証実験を実施した。この実験では、AIが導いた温度設定計画に基づいて人が制御。ビールの香りも含めた品質を維持したまま、発酵工程時間を336時間から240時間へと28%短縮できることを確認した。
今回の実験では、まずビール製造工程を再現したシミュレーターを作成した。醸造責任者が酵母へのストレスを考慮した条件を検討した上で、自律制御AIがシミュレーター内で発酵タンクの温度設定計画を作成した。同計画について責任者が妥当性を検討し、手動で温度を設定。製造時に責任者が官能評価をした結果、品質基準を満たすことを確認した。
横河電機グループは、すでに実績のある化学産業をはじめ、日本酒、ヨーグルトなどの発酵食品製造、微生物や酵素・酵母を利用する抗生物質などの医薬品製造などにも自律制御AIの適用を進め、品質と生産性の向上、競争力強化に貢献していく。