2025.10.15 AIエージェントと会話し家庭内の節電促進 NTTドコモがエネ分野に新風

自然な会話で節電のアドバイスを受けられる=千葉市美浜区

 NTTドコモは、家庭内の節電行動を促す対話型のAI(人工知能)エージェントを、千葉市美浜区の幕張メッセで14日に開幕したデジタルイノベーションの総合展示会「CEATEC2025」に展示した。家庭内の電力消費データや利用者の情報を基に、個人ごとに最適化した節電のアドバイスを行えるツールだ。同社は、節電を「楽しく続けられる習慣」として定着させることを目指している。

 家庭での電力消費は、社会全体のエネルギー利用に大きな影響を与えている。従来の節電は一律のアドバイスや自動制御に依存することが多く、「押し付けられている感覚」「続けるのが面倒」と感じる生活者も少なくない。

 そこで同社は、AIエージェントとの自然な対話を通じて利用者が自分らしく節電に取り組める仕組みを開発中だ。AIに幅広い節電知識を組み込み、利用者の発話内容に応じて最適なアドバイスを生成できるようにする。

 具体的には、AIエージェントがスマートメーター(電力計)などから集めた電力データや、利用者の性格や家族構成などの特性に基づいて会話文を考案し、音声に変換するという仕組み。「外出前の電源オフ」「保温時間の短縮」といった具体的な行動を提示してくれる。展示ブースでバーチャルキャラクターと対面し、「斬新な節電アイデアを教えて」と助言を求めると、家族で取り組める節電法を提案してくれた。

 同社は、電力小売りサービス「ドコモでんき」を提供。対象時間帯に節電したり電気を使ったりすることでポイントをためられる「エコ得プログラム」を用意している。今回のAIエージェントは開発段階だが、新たな付加価値として同サービスに付与する展開が想定されるという。