2025.10.10 NTTドコモ、エコなスマホケース開発 使用済みSIMカード枠を100%再利用
SIMカード枠をリサイクルしスマホケースに
NTTドコモは、ユーザーからの回収品をリサイクルして自社製品に利活用したスマートフォン用ケース「エコハードケース」を開発し、販売を始めた。新規原料で製造した場合と比べ温室効果ガス排出量が20%削減できるという。9月下旬には大阪・関西万博で開催された「サーキュラーエコノミー研究所」に出展し、商品をお披露目した。
同社は、資源循環型社会の実現を目的に1998年から携帯電話のリサイクル活動「ドコモ ケータイリサイクル」に取り組んでいる。今回の商品は使用済みのSIMカードの枠に使われるプラスチックを活用。従来はリサイクルして資源として売却していたが、新たに自社のサプライチェーンを生かして開発した。
商品はSIMカード枠をリサイクルした素材を100%使用。新規のプラスチックを用いず、自社で回収した廃材を材料とすることで環境に配慮。1ケース当たりSIMカード枠7.5枚相当使用する。素材そのものの色合いを活用し、色はアースグリーンに仕上げた。薄くてしなやかながらもスマホ本体を強固に保護する。対応機種はiPhone17。
全国のドコモショップやドコモオンラインショップで販売。売上金の1%相当を日本自然保護協会へ寄付(寄付対象期間は2026年9月30日まで)する。
万博で実施した同研究所は経済産業省が主催。資源循環につながる行動を学べる体験型催事で同社はブースを構え、商品を展示したほか、回収・分別、粉砕、ペレット化、製造の開発工程を実物素材で紹介した。
NTTドコモ経営企画部サステナビリティ推進室の黒田祥文環境推進担当主査は「素材はABSで、耐衝撃や強度が高いなどの特徴を生かした。色もSIMカードの枠の色をそのまま採用した。社内の各部署が連携して開発できた」と振り返った。