2025.10.16 三菱電機、台湾ITRIとパワー半導体技術で提携 再エネ電力の大容量変換システムを共同実証
基本協定締結式の様子
三菱電機は15日、台湾地域の販売会社・台湾三菱電機股份有限公司と共同で、台湾の工業技術研究院(ITRI)とメガワット級電力変換システム(Power Conversion System=PCS)の技術提携に関する基本協定を締結した。太陽光や風力などの再生可能エネルギー(再エネ)発電で得た電力を効率的に変換する技術の普及拡大を目指す。
世界的な脱炭素化の流れの中で、再エネ導入が急速に進む一方、発電電力を直流と交流の間で変換するPCSの需要が拡大している。特に、メガソーラーなどの大規模発電施設では大容量電力を効率的に扱うメガワット級PCSが不可欠となっている。
三菱電機はこれまで、発電・蓄電・送配電システムに向け、高効率で信頼性の高いパワー半導体モジュールを提供してきた。一方、ITRIは持続可能な社会の実現を目的に「循環経済」「低炭素製造」「再生可能エネルギーシステムおよび環境技術」の3分野で研究開発を推進しており、台湾産業の技術基盤を支えてきた。
今回の協定では、三菱電機の高効率パワー半導体技術、ITRIの大容量電力変換技術、台湾三菱電機のマーケティング力を結集。メガワット級PCSを共同開発・試作し、実証実験を実施する。得られたデータや設計情報は、ユーザーや台湾のPCSメーカーに提供し、製品開発を支援する方針だ。
三社はこうした取り組みを通じ、再エネ電力を効率的に変換・利用する技術の普及を図り、グリーントランスフォーメーション(GX)の実現に貢献していくとしている。