2025.10.22 Orbray、秋田県湯沢市で新本社・地域貢献施設の建設に着手 中期経営計画を上方修正へ

記者会見の様子(中央が並木社長)

 精密部品メーカーのOrbray(東京都足立区)は22日午後、湯沢工場(秋田県湯沢市)で記者会見し、2026年中の竣工に向けて湯沢市成沢で新本社と、地域貢献施設の建設に着手すると発表した。また、業績急伸に伴い生産体制のさらなる強化が不可欠となったため、湯沢市に建設予定の新工場の竣工時期を28年以降に後倒しする方向で検討を進める方針を明らかにした。

 同社は2024年7月に中期経営計画を策定し、湯沢を核とした事業継続に向け準備を進めてきた。今回、湯沢市議会での土地譲渡可決を受け、同市成沢で26年3月から新本社および地域貢献施設建設に着手する。新本社・地域貢献施設は延床面積2172平方㍍で、26年中の竣工を予定。従来方針通り、26年末までに本社を湯沢市に移転する。

 並木里也子社長は新本社・地域貢献施設について「当社の次なる成長の基盤であるとともに、地域社会との連携を一層深める拠点としての役割を担う」と説明した。

 新本社は、本社と工場一部機能を担う建物となる。技術者や新入社員の教育のほか、同社製品・技術のショールームなどの新機能を持たせる。地域貢献施設は「学び・働き・暮らしを繋(つな)ぐ、地域共生施設」をコンセプトに、地域と企業が共に成長できる拠点とする。教育研修強化の一環として「Orbray Academy」も開設する。

 同社の業績は昨年7月時点の見通しを大きく上回る水準で推移しており、29年の連結売上高は24年7月報告の400億円に対し、大型案件の伸長により450億円を超える見通し。このため、業績の上方修正を含めた中計の再検討を行うという。